LANケーブルの色に惑わされ……悲しき女子ヘルプデスク物語(2/3 ページ)

» 2008年04月01日 08時00分 公開
[鐙貴絵,ITmedia]

悲しき内職スキル向上

 見ると、プランプランと首の皮一枚でぶら下がっているLANケーブルの姿があった。どうやら、LANケーブルの先端のRJ-45コネクタの爪が折れていて、LANアダプタから外れていたことが原因だったようだ。

 それにしてもこの爪、折れやすい。絡まったケーブルを無理やり引っ張ったり、うっかり先端を踏んづけたりすると、すぐ折れる。折れたら当然、コネクタの付け替え作業が待っている。付け替え内職も回数を重ねるとだんだんコツをつかんできて、思わぬスピードで作業できるようになる。一抹のわびしさとともに……。世の中、熟練することで悲しくなってくる技術もあるのだ。「いいかげんにして!」と叫びたくなる。いや、時々叫んでいる……。

持ち込みは厳禁!

 LANケーブルネタをもう1つ。最近のPCの大半は、標準でギガビットLANに対応している。また、ギガビット対応のスイッチングHUBもだんだん安くなってきた。そこで、多くの画像データを頻繁にやりとりする広報部門のスイッチングHUBを、すべて1000BASE-T対応のものに取り替えることになった。ところが、スイッチングHUBを新しくしたところ、PCが1台だけLANにつながらない。

 現場では、早く何とかしてくれよという雰囲気がただよっている。またケーブルの断線か? しかし、今度は違った。どうも不可解なのだ。

 つながらないPCは、LANケーブルをどのポートに挿してもつながらない。だが、スイッチングHUBを以前使っていた100BASE-TXのものに戻したらちゃんとつながるのだ。PC自身はギガビットLANに対応しているし、もし対応していなくても100Mbpsで接続されるはずなのに。スイッチングHUBとケーブルの相性って、あるのか?

 ……おや? つながらないほうのLANケーブルがずいぶん細い。こんなケーブル、社内で買った覚えはないぞ。誰かが勝手に持ち込んだケーブルが紛れ込んでいたのか?

 会社で買った別のLANケーブルを挿してみると、PCは何事も無かったかのようにLANに接続できた。ほっと一安心。タネを明かせば、細いケーブルは2対4本しか結線されていないケーブルだったのだ。

 現在のLAN配線では、UTP(Unshielded Twisted Pair)ケーブルが用いられている。これは 2本の導線をより合わせて1対とし、このより線を4対、合計8本まとめて1本のケーブルにしたものだ。最も普及している100BASE-TXの場合は、このうち2対4本しか使っていない。そのため、安価なケーブルや取り回しを最優先した細いケーブルなどでは、導線を2対4本しか結線していないものがあるのだ。一方1000BASE-Tでは、4対8本の導線すべて用いて通信を行う。1対あたり250Mbps、4対で1Gbps、というわけだ。そのため、4本しか結線していない細いケーブルでは、100BASE-TXの通信はできても1000BASE-Tでは通信できないことになる。

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