LANケーブルの色に惑わされ……悲しき女子ヘルプデスク物語(3/3 ページ)

» 2008年04月01日 08時00分 公開
[鐙貴絵,ITmedia]
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「近くて遠い」コミュニケーション

 ネットワークは非常に便利である。ネットワークさえつながっていれば、社内のどこにいても、いや社内にいなくても、情報を共有やコミュニケーションが可能になる。しかしその一方で、最近はネットワークに頼り過ぎているのではないか?と思う時がある。社内LANにつながらなくなったというだけで仕事ができない、と思い込んでいる人のなんと多いことか。そりゃもちろん、できないこともあるけど、ネットワークがなくたってできる仕事のほうが多いだろうに。

 そういえば、机が隣同士であっても用件をメールでやりとりしている人が私の周りには非常に多い。「声をかけたら申し訳ないから」とか「文章に残したほうがいいから」という理由は分からないでもないけど、人と人とのコミュニケーションは希薄になってきている気がする。そんな「近くて遠い」現象は、これからも社内のあちらこちらで増えていきそうだ。

 逆に「遠いはずなのに近くに感じる」という逆の現象もある。システム管理の仕事をしていると知らない人(と言っても社内の人なのだが)からのメールや電話が非常に多い。そんな、ネットワーク越しの会話はとてもたくさんやっているのに、今まで一度も会ったことがない、なんて人もたくさんいる。

「友人」が増える、のはいいけれど

 それらのメールや電話に対応しているうちに、お互いに「知らない人」ではなくなって、まるで「昔からの知り合い」や「とても仲のいい友人」だと錯覚してしまうことも少なくない。社内行事などで初めて顔を合わせた時、初対面なのにとっても気安く(なれなれしく?)声をかけられたことも、一度や二度ではない。

 顔を知らない相手への対応はどうしても形式的・事務的になってしまう。でも、1度でも顔を合わせた相手だと、その人が困っていたら少しでも助けてあげたい、と思うようになる。やっぱり人情は必要です。

 一方で、顔を合わせた後はヘルプ内容が業務以外に派生することも多い。自宅のPCの調子が悪いから見てほしい、に始まって、自宅に新しいPCを購入するのでアドバイスが欲しいとか家庭内無線LANのやり方を教えてほしいなど…。まさに「遠いはずなのに近くに感じて」いただいているのだろう。しかも本人達に悪気はまったく無いし本当に困っているのだから、ついつい助けてしまいたくなる。人情は大事にしたいし頼ってくれるのは嬉しいけど、アルバイト代は出ないのよね……。

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