GitLabは、DevSecOpsにおけるAIの導入でどのような変化が起きるのかを調査した。国内のソフトウェア開発関係者の多くは、AIの導入によってコーディング作業効率を改善したが、一方で“ある課題”によってその利点を生かしきれていないという。
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GitLabは2026年2月3日、AIがDevSecOpsを再定義する動向について国内調査を公開した。国内のソフトウェア開発関係者を対象に、AI活用の実態や課題、将来の役割変化などを明らかにしている。
生成AIによってコーディングのスピードは加速しているが、ソフトウェアライフサイクル全体では品質やセキュリティ、開発速度の管理に新たな課題が生じ、イノベーションの実現に摩擦を生じさせているという。
調査によると、AIの導入によってコーディング作業は速くなっているが、ツールチェーンの分断やコンプライアンス対応の複雑化が新たな障壁になっているという。チームメンバー1人当たり、非効率な工程のため週にほぼ1日分の時間を失っている。
回答組織の72%は少なくとも週1回本番環境にデプロイしているが、41%が5種類以上の開発ツール、35%が5種類以上のAIツールを使っており、環境の複雑化が生産性向上を阻み、AIがもたらすスピードの利点を生かしきれていない。GitLabはこの状況を「AIパラドックス」と呼んでいる。
人材面において、AIによってコーディングが容易になってもエンジニア数は減らず、むしろ増えるとの見方が58%を占めた。この理由はAI生成コードを大規模に管理する必要が生じるためで、AIのオーケストレーションやガバナンス、コンプライアンスに対応できる統合的なプラットフォームエンジニアリングの重要性が示された。72%は「エージェント型AIはこの手法と組み合わせた場合に効果を発揮する」と回答した。
役割変化については、74%が5年以内に自身の職務が大きく変わると予想している。62%は「AI活用スキルが将来のキャリア継続に有利になる」と答え、80%がスキル向上支援への組織投資拡大を望んでいる。
AI利用は広がっており、84%が「開発工程でAIを使用中または導入予定」と回答した。ただし「人の確認なしに日常業務を任せられると考える」のは34%にとどまっている。60%は自然言語指示で仕組み理解が浅いまま生成したコードに起因する問題を経験した。76%は創造性など人に固有の能力はAIで完全代替できないとみている。
コンプライアンス面において、53%が「AIによって管理が難しくなった」と回答した。また、62%は「問題が開発中よりデプロイ後に見つかることが多い」とした。47%は単なるコード生成よりも「セキュリティやコンプライアンスへのAI活用」こそがキャリア形成に最重要のスキルであると認識している。59%は2027年までにコンプライアンスがコードに組み込まれ自動適用されると予測した。
GitLabでヘッド・オブ・ジャパンを務める小澤正治氏は、生成AIが速度向上に寄与するが、品質確保や安全対策、導入プロセス管理に新たな難題を生んでいるとし、「各組織にはガバナンスやセキュリティ統合、コンプライアンス対応を横断的に扱える仕組みが求められる」と述べている。
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