ガソリンの価格比較サイトがダウン、ネットの弱点は変わらず最安値を求めさまよう(1/2 ページ)

ガソリン価格の比較サイトにアクセスが集中している。原油高の昨今ドライバーが「最もお得なGSはどこ」と探し回るのも無理はない。

» 2008年04月05日 08時00分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 揮発油(ガソリン)税の暫定税率の期限が3月31日で切れたことで、全国のガソリンスタンド(GS)の一部が4月1日からガソリン価格を引き下げ始めている。3月までに仕入れた在庫があるため、1日から価格を下げないとするGSも多く、ガソリン価格の動向にユーザーが混乱している状況だ。

 そんな折、ガソリン価格の比較サイトにアクセスが集中している。原油高の昨今ドライバーが「最もお得なGSはどこ」と探し回るのも無理はない。ガソリン比較サイト「gogo.gs」は4月1日、アクセス集中のためサーバがダウンしたと発表した。

 「暫定税率期限切れの影響により、当サイトに非常に多くのアクセスが集中しております。そのため、3月31日深夜より正常にページが表示されない状態が続いております」

アクセス集中によりサーバがダウンしたガソリン比較サイト「gogo.gs」(画像は同社サイトより)

 4月1日の同サイトへのアクセス数は最終的に150万ページビューに達した。これは通常の約15倍、既存のサーバの構成では想定していない規模だという。

 その後、サーバのメモリ増設、スペック強化、価格投稿機能に直接影響のない機能の休止、投稿機能の別サーバ化、コンテンツ表示部分の効率化といった対策を施し、事態に対処している。

 だが4月4日午後の2時現在もアクセスが集中しており、「メンテナンス中」の状態だ。深夜は落ち着いているが、日中はWEBサーバ、DBサーバに処理能力以上の負荷が掛かっている状況という。

 同サイトに限らず、多くのウェブサイトは通常時のアクセス数を基にサーバの構成を決めている。15倍など想定を超えたアクセス数に達すれば、サーバがダウンすることは容易に想像できる。

 言うまでもなく、こうした処理能力の問題は以前からある。大企業をはじめ多くのWebサイトがサーバの増設などによる対応を強化しているが、インターネットインフラの根本的な弱点であることは変わっていない。

 企業が大量のデータを高速配信するためのサービスを提供する米Limelight Networksの日本法人、ライムライト・ネットワークスの塚本信二社長は「テレビ局の放送事故などはあまり聞かなくなったが、インターネットではページの表示が遅いなどの苦情を含めれば、インフラの問題がいまだに多く発生している」と指摘する。

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