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» 2008年04月08日 08時00分 公開

アナリストの視点:実は活況な大企業向けERP市場 (2/4)

[小林明子(矢野経済研究所),ITmedia]

ERP導入の裾野広がる SMB・大企業ともに活況、ターゲット業界の細分化も進む

 中堅・中小企業(SMB:Small and Medium Business)のERPの導入率は全体の2〜3割程度とみられるが、新規導入の余地が大きく成長率の高い市場である。SMBのニーズに特徴的なのはオフコンなどレガシーシステムからのリプレースで、老朽化対策や管理コスト低減を目的に、ERPへの置き換えが進んでいる。

 業務システム単体として入れ替えるのではなく、生産や販売などコア業務にも適用し、全体最適を目指すケースが増えている。ただし、SMBでは、好景気の恩恵を受けて高度なIT化を進める企業と、依然として情報活用が進まない企業という二極化が進んでいることに注意が必要である。

 一方、「大企業向けのERPは飽和した」と言われるものの、実際には大企業向けも好調だった。例えば、ERP最大手のSAPジャパンは「大企業向けのビジネスが活況だったため、SMB対応が遅れてしまった」と話す。大企業向けの製品を提供するSAPやオラクルは、SOAに基づいた新しい製品戦略でERPの適用範囲を拡大しており、CRM、PLMなど拡張ERPの分野でも大型案件を獲得している。

ERPパッケージのライセンス売上高の推移(エンドユーザー渡し価格ベース)

 注目技術のSOAは、エンドユーザーレベルでの理解と浸透はまだこれからの段階だが、柔軟なシステム構築が可能になることで、スクラッチでしか対応できないと考えられていた分野にインパクトを与え始めている。

 業種別では、製造業を中心に普及が進んできたERPだが、多業種にわたって裾野が広がってきている。流通業やサービス業は、市場の成熟、少子化などの環境にあって、M&Aなど業界再編の動きがみられる。これらの業界では、コスト削減にとどまらず、経営の見える化を促進し、企業の競争力を高めるためのツールとして、ERPを活用する段階にある。ERPベンダー側では細分化した業種攻略が進められており、本格的なITの活用が遅れていた業界や、ニッチな業界もターゲットに入っている。

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