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» 2008年04月08日 08時00分 公開

アナリストの視点:実は活況な大企業向けERP市場 (4/4)

[小林明子(矢野経済研究所),ITmedia]
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注目度が高いSaaS、ERPでの成功モデルが現れるか

 最後に、話題のSaaSについて触れる。ERP業界においてもSaaSへの注目度は高い。とはいえ、ERPベンダーの多くは、SaaSの採算性に不安を持っている。かつてのASP事業では成功例も少なく撤退した企業もあったが、それは受注金額が小口化する一方で、充分なユーザー数を獲得することができず、採算が合わなかったことが主因である。

 また、SaaSのターゲットと目されているSMB向けには、安価なパッケージソフトが多種存在しており、それと比べて価格や使い勝手の面でメリットが出せるのかという疑問もある。こうしたことからも、当面、2〜3年の短期スパンではライセンス販売とインテグレーション、サポートというビジネスモデルに変化はなさそうだ。

 しかしSaaSは普及に向けて動き出している。ERPに関してみても、経済産業省が「中小企業生産性向上プロジェクト」において、財務会計業務のIT化支援策の一環として、2009年度までの予算で、中小企業のSaaS導入に税優遇措置を取ると発表している。各社各様で構築されるERPはSaaSに向かないという見方もあるものの、会計、人事給与、調達などの分野は共通化が可能で、米国ではSaaSでのサービス提供が行われている。

 また、国内でも2008年中にはSAP、オラクル、富士通など、大手ベンダーの取り組みが具体化する予定だ。今後、ERPでの成功モデルが生まれるかどうかは大いに注目が集まるところである。

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