OpenOffice.org 3.0を試してみたSuper Review(2/3 ページ)

» 2008年04月09日 00時00分 公開
[Bruce-Byfield,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 スプレッドシートのCalcにも幾つかの変更点があるが、Writerに比べれば小規模なものが多い。例えばCalcでは列の最大数が256から1024に増えて、Microsoft Excelと同等になった。とはいえ、特にそれほど多くの列が必要なのであればほぼ確実にスプレッドシートからデータベースに移行した方がよいだろうということを考慮すれば、平均的なユーザーにとってこの機能がどれほど便利なのかについては疑問だ。

 Calcの上級ユーザーならおそらく、Solverが新しくなっていることに気づくだろう。新しくなったSolverでは関数を最小化/最大化する値を求めることができるだけでなく関数が指定した値になるような値を求めることもできるようになった。より重要なこととして、追加の制約条件をメインのダイアログウインドウ内で入力できるようになったので、新たなダイアログを開く以前の方法と違って、すでに入力した制約条件が分かりにくくなってしまうことがなくなった。

 さらにCalcでは、ハイライトが黒一色ではなく半透明になった。これは小さな変更点ではあるが、これまでは選択したときの表示が選択部分の文字については読みにくい背景が黒の反転色で表示されて、ほかの部分についても分かりにくい表示になってしまっていたので、それが改善されたということだ。この変更のおかげで作業場所が非常に分かりやすくなったので、ほかのアプリケーションも同じようなハイライト方法になればよいと思う。

 とはいえ、これまでのところ全アプリケーションにおいて最大の変更点はおそらく、スライドショーアプリケーションのImpressに表機能が導入されたことだろう。表がサポートされていなかったことは、ImpressがMicrosoft PowerPointにおよばない理由の1つとしてこれまで必ず挙げられていた点であり、また表の各セルのために手で四角を描くという対処法も時間がかかる上面倒だった。新たな表機能としては、Writerでの表の作成に使われているものによく似た移動可能なツールバーや、Task(タスク)枠の中にある、数十種類の既定の書式が用意されている新たなTable Design(表設計)トレーなどがある。

 ただやや気になることとして、デフォルトの書式が色付きのセルになっているので、HTMLに慣れている場合には、スライドショーで複雑な書式の表を作成する際にやや手間取る時がある。さらに言えば、表を入れ子にできない点にも同様の不満を感じる。とはいえOOoの描画ツール――特に文字枠――を使用すればそのような問題を緩和することができるので、表のサポートがあるということだけでも大きな前進だ。

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