Google App Engineを拡張するソリューションが登場(1/2 ページ)

CohesiveFTのソリューションとAppDropは、Google App EngineアプリケーションをAmazonのEC2に配備することを可能にする。

» 2008年04月18日 16時40分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 開発者らがGoogle App Engineを拡張し、AmazonのElastic Compute Cloud(EC2)に対応させるのには、さほど時間がかからなかったようだ。

 Googleは4月7日、開発者向けのクラウドコンピューティングソリューションを発表し、当初、このサービスを利用するための1万アカウントを開発者に用意した。同社はその週のうちに、需要に対応するために、さらに1万人分のアカウントを追加提供した。

 一方、ローカル開発を行っている開発者で、Googleの2万アカウントの1つを手に入れることができなかった人のために、Googleは「Dev Web Server」(Development Web Server)を利用できるようにした。Google App Engine SDK(ソフトウェア開発キット)には、App Engineアプリケーションを開発・テストするためのWebサーバアプリケーションが含まれる。Dev Web Serverは、App EngineのPythonランタイム(サンドボックス制限を含む)を再現し、App Engineのサービス(データストアなど)をエミュレートする。

 Google App Engineを拡張している企業の1社が、シカゴに本社を置くCohesive Flexible Technolog(CFT)である。同社のパトリック・カーパンCTO(最高技術責任者)は、「開発者本人もしくは友人がアカウントを持っているか、Google App Engineが一般に開放されれば、GoogleクラウドつまりGoogle App Engineに配備するアプリケーションを開発するのにDev Web Serverを利用できる。Dev Web Serverは、Googleクラウドのすべてのサービスを提供するわけではない。例えば、APIコールでは、真のクラウドデータベースではなくフラットファイルが呼び出される」と説明する。

 一方、オレゴン州ポートランドを拠点とする開発者で、MP3ブログサービス、Grabb.itの共同創業者であるクリス・アンダーソン氏は4月14日、「AppDrop」というプロジェクトを発表した。ポートランド在住のフリージャーナリスト、アンディ・ベイオ氏は自身のブログに、「アンダーソン氏のプロジェクトは、Google App Engine SDKで開発したアプリケーション用のコンテナを提供するもので、AmazonのEC2インフラ上で動作する」と記している。

 アンダーソン氏は、Amazon EC2上で動作するシングルインスタンスサーバとしてAppDropを発表した。ユーザーは自分のアプリケーションをこのサーバ上に試験的に配備することができる。また、Google App Engineのアカウントを持っていない人がテストハーネスとして利用することもできる。アンダーソン氏によると、AppDrop技術は基本的にコンセプト検証の段階であり、まだ最終製品ではないという。

 CFTでは「AppEngine Component Portal」を4月15日に立ち上げる予定だったが、アンダーソン氏がAppDropを発表したのを受け、カーパン氏は新製品の発表を1日前倒しした。CFTは4月14日、Dev Web Server上にアプリケーションを構築するための「Elastic Server Portal」のリリースを発表。これを利用すれば、App Engineのアカウントを持っているかどうかにかかわらず、開発者はApp Engineアプリケーションのローカル/オフライン開発を行うことができる。開発サーバをAmazon EC2にテスト配備する機能も提供するという。

       1|2 次のページへ

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

注目のテーマ

あなたにおすすめの記事PR