パッケージを選択する理由は何?――OSSサポーター発掘のススメ闘うマネジャー(1/2 ページ)

業務システムの構築では、パッケージソフトウェアを活用することが大半だ。しかしその理由を紐解くと首を傾げたくなることも多い。

» 2008年06月05日 14時44分 公開
[ITmedia]

OSSに詳しい人材を発掘する

 前々回、発注者責任の第一歩として「システム開発に移る前に、発注者側で画面デザインを徹底的に詰めるべきだ」ということを書いた。しかしこれは「パッケージを使わない新規開発の話だ」と指摘する読者もいるだろう。だが逆に質問したい「パッケージでなくてはいけない理由は何?」と。

 パッケージを使う理由は主に以下の3つではないだろうか。

(1)短時間で構築したい

(2)オーダーで作るより安い

(3)実績のあるものを使いたい

 ところが、オープンソース・ソフトウェア(以下OSS)が一般的になると、以前ほど(2)と(3)が「違うかも」と思ってしまう。パッケージに組み込まれているDBをはじめとするミドルウェアやパッケージ本体は商用であるためライセンス料がかかるが、OSSだと無料である。また、構築後、パッケージでは毎年保守料がかかるがOSSだとそれがない。

 もちろんOSSには詳しい人材が必要だし、サポートしてもらうためにコストがかかる。しかし、これが筆者が住んでいる長崎のような地方に行くと様相が一変する。地方のITベンダーは、いわゆる中小零細企業であるため、商用ソフトウェアをあれこれ買って試用してみるということができない。代わりにOSSをあれこれ試し、隙あらば実ビジネスで使ってみようと思っている人材が数多くいる。一方、地方には「自らは営業、技術はメーカー、収益は応分に」という昔ながらのビジネスモデルも残っている。このためOSSに詳しい人材は孫請け、ひ孫請けという階層の隠れているが、掘り起こしてあげさえすれば、極めてリーズナブルな価格でOSSをサポートしてくれる。事実、私の周りにはOSSサポーターが数多くいる。

 次に「実績のあるものを使いたい」であるが、これに関しては読者の誰もがご存じの通り、「使いやすいから実績があるとは限らない」、「大手ベンダーが選定し、一気に営業をかけたから実績となっているだけだ」であることが多いし、「いざ構築を始めると、カスタマイズに莫大な費用がかかった」、「他のシステムと連携しようとすると、ちょっとしたことなのに高額の請求をされた」など困った経験の方が多いのではないだろうか。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ