7月7日、三菱東京UFJで大一番――システムの本格統合開始テストは大詰め(1/2 ページ)

三菱東京UFJ銀行の大規模なシステム統合の第2弾が7月7日から始まる。旧UFJ銀行のデータを新システムに順次移行する。麻布、浜松町など全国の9店舗を皮切りに、年内に400店舗で統合を実施する予定だ。

» 2008年07月03日 08時05分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 7月7日、三菱東京UFJ銀行の大規模システム統合が開始する。旧東京三菱銀行のシステムをベースに構築された新システムに、旧UFJ銀行側の勘定系システムのデータを移行する。旧UFJ銀行の9店舗を皮切りに、12月までに約400店舗のシステム統合を完了する予定だ。

 5月12日に、三菱東京UFJ銀行のキャッシュカードがセブン銀行のATMで使えなくなるシステム障害が起きた。だが、これは旧東京三菱銀行のシステムを刷新したことで起きたもの。新システムが実質、旧東京三菱側に「片寄せ」したものであることを考えると、旧UFJ銀行のシステムを新システムに統合する今回の作業は難易度が高いといえる。

 三菱東京UFJ銀行の関係者によると、今回のシステム統合作業は「旧UFJ銀行から新システムへのデータ移行」だという。従来、旧UFJ銀行のキャッシュカードを持っている顧客がATMで取引する場合、画面上は分からないが、裏では旧UFJの勘定システムにデータを流して現金の引き出しや振り込みなどの処理を実施していた。今回のシステム統合により、旧UFJ銀行のキャッシュカードを持つ顧客の取引を名実ともに新システムで処理することになる。

 同氏は、あらゆる障害の可能性を排除すべく検証を実施しているが、データの移行作業であるため、入金や出金および残高照会を含め、可能性をゼロにはできないと話す。無事にシステム統合ができたように見えても「コンビニエンスストアなどのATMにはさまざまなメーカーの機器があるため、機器ごとの設定の違いなどが問題になり得る」(同氏)という。

 7月7日から統合システムが稼働する店舗は全国の9店舗。東京では麻布、浜松町、三田、中部では上前津、滝子、鶴舞、西日本は鴻池新田、大東、守口の各支店が対象だ。7月5、6日に本格的なテストを実施する予定で、新システムのホストコンピュータを提供する日本IBMをはじめ、日立製作所などさまざまなベンダーが関わっている。今後、8月11日、9月16日、11月10日、12月15日の順に同様の統合を実施し、年内に400店舗の作業を完了する予定だ。

 データ移行するに当たって重視するテスト内容について同氏は「外部から“この要件についてもっと時間を掛けるべきだ”などの指摘を受けることが考えられるため公表はしない。いろいろな見方があると思うが、テスト要件はこちらで十分に検討して決めてある」としている。

 システム統合に伴い、ATMも停止する。旧東京三菱銀行、旧UFJ銀行のキャッシュカードはともに7月5日の17時から7日の朝7時まで利用できない。加えて、旧UFJのカードは取引店舗により、4日の21時から5日の17時の間利用できなくなる。

ATMの休止スケジュール(同社サイトより)
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