KDDI、欧州で企業向けネットワークサービスを強化欧州でL2サービス

KDDIは、日本とロシア間に低遅延の大容量ケーブル回線を開通させるほか、欧州エリアでL2サービスを始める。

» 2008年07月08日 16時20分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 KDDIは7月8日、欧州で提供する企業向けネットワークサービスを拡充すると発表した。第一弾として7月中にモスクワ支店を開設する。

 同社では2009年にかけて、まず9月に日本・ロシア間に大容量ネットワーク回線「RJCN(Russia-Japan Cable Network)」を開通する。10月には欧州で広域イーサネットおよびIP-VPN接続サービスを始める予定。2009年1月からは英国にあるデータセンターの増床に着手するほか、フランス国内に3拠点目となるデータセンターを新設する。

 新規に開通するRJCN回線は、ロシアの大手通信Rostelecomと相互接続し、日本・欧州間の最短経路になるという。伝送遅延は毎秒180〜200ミリと、同260ミリの米国経由や同300ミリのインド洋経由に比べて低遅延であるのが特徴。同社では企業向け国際データ回線として2Mbps〜10Gbps程度のサービスを提供する予定だという。

RJCN回線の特徴

 IP-VPNサービスは30カ国で提供し、通信速度は64kbps〜1Gbps程度。広域イーサネットサービスは西欧およびフィンランドなど13カ国で提供し、通信速度は2〜600Mbpsになる。同サービスを利用すれば、各国拠点の通信機器などを遠隔監視できるようになる。

L2サービスの概要

 データセンターの拡充で、同社は2010年度までに250億円を投資する。英国での増床およびフランスでの新設で、欧州のデータセンターの延べ床面積は現在の1.6倍に当たる約6万9000平方メートルになる計画。データセンターサービスは日系企業だけでなく現地企業も利用しており、英国内のシェアは2位。

 7月に開設するモスクワ支店は、サンクトペテルブルグ支店に次いでロシア内では3拠点目(同社出資の衛星会社を含む)に当たり、当初は5人体制で運営する。

 ICT事業担当の石川雄三執行役員は、ロシアでの事業拡大について「経済新興国でも最も経済成長が著しく、日本企業の進出が急増している。現地における通信サービスからシステム構築をワンストップサービスとして提供する」と話した。

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