Macな友人と世間話をしていたら、彼が一言。「そういえばPowerPCってなくなっちゃったね……」。いえいえPowerPCは健在です。組み込み用途に加え、WiiやPS3、Xboxといった家庭用ゲーム機市場では大活躍なのだ。
Macintosh(この名称も過去のもの。今はMacですね)のプロセッサが、PowerPCからインテルのものに変わって早2年あまり。Macユーザーの中には、PowerPCを知らない人もポツポツと登場し始めている。PowerPCは、PowerMacの終焉とともに過去の遺物になったと考える人もいる。
しかし、それは大きな誤解だ。そもそもPowerPCはアップルのものではなく、IBMが同社のRISCアーキテクチャをベースにして、モトローラやアップルと共同開発したもの。PowerPCという商標も、IBMが所有している。現在でも、PowerPCアーキテクチャを引き継ぐPOWER6プロセッサ搭載したサーバやワークステーションがIBMで作られているし、アーキテクチャ自身もまだまだ進化を続けている。アップルが手を引いたからと言って、PowerPCは消えてしまったわけではないのだ。
そればかりか、さまざまなデジタル機器のコントローラにPowerPCは採用されている。組み込み用途では急成長を続けているのだ。例えばプリンタ。高速印刷を実現するレーザープリンタの多くには、そのコントローラのエンジンとしてPowerPCが採用されていることが多い。このほか、カーナビなどの車載機器、ホームネットワーク製品などの民生機器、各種産業機器などに、PowerPCは幅広く組み込まれている。
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