WiiやPS3そしてXboxに搭載されているプロセッサは?今日から使えるITトリビア(2/2 ページ)

» 2008年07月12日 08時00分 公開
[吉森ゆき,ITmedia]
前のページへ 1|2       

家庭用ゲーム機市場を独占

 PowerPCの健在ぶりを示す端的な例が、家庭用ゲーム機に内蔵されたプロセッサである。現在、世界の家庭用ゲーム機は、マイクロソフトが2005年12月に発売した「Xbox 360」、ソニーが2006年11月に発売した「PLAYSTATION 3」、任天堂が2006年12月に発売した「Wii」が人気を分かち合っている。そして、いずれの家庭用ゲーム機にも、PowerPCの系列となるプロセッサが採用されているのだ。

 Xboxに搭載されているのは、PowerPCをベースにIBMとマイクロソフトが共同開発したカスタムプロセッサ。ゲームの開発環境も、アルファバージョンの段階ではPowerMacを使用したという。OSは、Windows 2000をベースにしたものだと言われており、移植にはさぞかし苦労したかと思われそうだが、そんなこともないようだ。実際に、Windows NT 4.0の時代には、PowerPC版Windows NTもあったのだから。

 PLAYSTATION 3に搭載されたのも、PowerPCをベースに開発されたプロセッサである、こちらはIBM、ソニー、東芝が共同開発した。「Cell(セル)」と命名されたこのプロセッサは、9個のコアを持つマルチコアプロセッサで、非常に高速なことが特徴とされる。2008年6月には、Cellベースのスーパーコンピュータ「IBM Roadrunner」が1Pflops(ペタフロップス)という世界最速記録を達成したほどだ。組み込み分野へも積極的に進出しており、2008年5月に東芝は、Cell搭載テレビを2009年秋に発売する意向を表明している。

 そして、任天堂のWiiにも、PowerPCベースのプロセッサが内蔵されている。このプロセッサは、任天堂とIBMが共同開発したもので、「Broadway(ブロードウェイ)」と名付けられた。ちなみに、システム用のASICは「Hollywood(ハリウッド)」というそうだ。

 このようにPowerPCが持つポテンシャルは、まだまだ十分にプロセッサ市場を牽引し得る。それなのにアップルはなぜPowerPCを捨てたのだろう? ピピンアットマークの失敗は、PowerPCのせいではないのに……。

関連キーワード

POWER | IBM | Apple | Mac | Wii | Cell | ペタスケール | PS3 | Xbox 360


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ