「PostgreSQLの上に独自のOracle互換機能を提供しているEnterpriseDBでも、Oracle置き換えプロジェクトよりもOracle回避プロジェクトに力を入れている」とアスレット氏は話す。
オープンソースに関して最もよく耳にする批判の1つが、サポートの欠如である。しかしSunが今年初めにMySQLを買収したとき、MySQLに巨大な後ろ盾がついたことで、企業がオープンソースデータベースの採用に動き出すだろうというのが、多くの業界観測筋の見方だった。なおSunでは、PostgreSQLの1バージョンのパッケージング、販売、サポートも行っている。
しかしデータベースベンダーのトップ3の座を維持しているOracle、Microsoft、IBMとの競争を前に、オープンソースがどれくらいの地盤を確保するかは、時が経たないと分からない。
Burton Groupのアナリスト、ピーター・オーケリー氏は「商用DBMSベンダー、特にWindows分野でのMicrosoft、そしてUNIX/Linux分野でのOracleによる市場支配に大きな変化は見られない」と指摘する。
「IBMもまだメジャープレーヤーだが、その地盤はLintelやWintelよりも、IBMのメインフレームやミッドレンジマシンが中心だ。この分野では、DB2が現時点でDBMS市場をほぼ独占している。MySQLは今後もLAMP(Linux、Apache、MySQL、PHP/Python/Perl)スタックの一部として、ハイエンドのフェデレーテッドコンテンツの分野で活躍するだろう。また、EnterpriseDBとIngresはある程度の市場進出を果たすだろうが、メインストリームの商用DBMS市場はOracle、Microsoft、IBMによって支配されており、今後も当分この状況は変わらないだろう」(同氏)
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