わたし ちゃんと保存しておかなかったKさんが悪いんですよ!
ああ、一度でいいからそう言ってみたい! 結局、Kさんには次のように伝えることにする。
わたし 自動上書きされたファイルがどこに保存されているか、念のため調べておきますね。残念ながら今回は残っていないようですけど。
Kさんは、「分かったよ……」と言う代わりにため息をつき、手を軽く上げて合図をすると背中を向けて仕事に戻った。あれ? Kさんの背中がいつもより小さく見える。
でも、自動保存されたファイルはどこにあるのだろう? これまであまり気にしなかったけれど、元のファイルがあるフォルダかしら。気になったので調べてみると、回復用ファイルを保存する場所があるではないか。もっと早く知っていたなら、助けてあげられたファイルがあったかもしれない。勉強不足を反省するわたし。ああ、ごめんなさい。あきらめかけていたファイルを、魔法使いのように、ステッキをかざしてあっという間に復活させられたなら、カッコいいだろうな。
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