元Google技術者の検索エンジンCuilは検索結果の隣に画像を表示するが、関連のない画像や競合企業の画像が表示される問題が起きている。
公開から2日、新興検索エンジンCuilは既に苦境に立たされている。
Cuilの検索アルゴリズムの奇癖のために、一部ブランドの検索結果に競合ブランド、あるいは関係のないブランドの画像が表示されている。
Cuilのコミュニケーション担当副社長ビンス・ソリット氏は、同社のエンジニアはこの問題に取り組んでいるとだけ語った。このバグは、同社がすべての検索結果の隣に画像を表示する上で問題になっていると同氏は示唆した。
Cuilのポイントは、ユーザーが検索結果をクリックするかどうかの判断を画像を使って手助けする点だ。ユーザーは画像の隣に表示された200語の抜粋を読む代わりに、画像を見て検索結果にクリックする価値があるかどうかを決められる。
「公開から36時間経った。確かにあちこちでバグが見つかり、修正している。改良を続けている」(ソリット氏)
それは結構だが、Cuilがこの問題を修正できなかったら、ユーザーは検索結果をクリックせず、Cuilにアクセスしなくなるだろう。
ソリット氏は7月28日のアクセス問題についても謝罪した。トラフィックが殺到して同社サーバの処理能力を超え、検索エンジンを常時稼働させることができなかったという。
わたしの29日のCuilレビューに寄せられたコメントによると、検索して出てくるブランドは検索キーワードと関連しているかもしれないが、ユーザーはマーケティングメッセージの食い違いを懸念している。
ネットワークストレージベンダーAberdeenのマーケティングマネジャー、トレントン・ベイカー氏は、業界特有の言葉で幾つか検索したところ、合っていないWebサイトの画像と誤解を招く結果が表示されたと語る。
例えば、「Network Attached Storage」を検索すると、「NAS Network Attached Storage Server Review」が検索結果として表示される。
問題は、検索結果ページでこのレビューのところに表示される画像はAberdeenのNAS機器の画像なのに、画像をクリックするとレビューに飛ぶということだ。
「Storage Servers」を検索すると、AberdeenのライバルであるSMC Networksの製品に関するニュースリリースが検索結果に表示される。だが、この検索結果と一緒に表示されている製品画像は、Aberdeenのサイトのトップページにあるものだ。この画像をクリックすると、www.aberdeeninc.comではなくSMCのプレスリリースが表示される。
「残念なことに、DellやIBMといった企業と競合しているAberdeenのような小規模企業にとって、この検索エンジンは益よりも害が多い」とベイカー氏は語る。「Aberdeenが作り出そうとしているブランドが、間違った画像の使用やコンテンツの混同によりすぐに損なわれてしまう」
またCuilで自分の会社に関連するキーワードを検索したというジム・ラピック氏は、「わたしのサイトの画像が、ほかのサイトの名前の隣に表示されている」とコメントしている。
ラピック氏は、検索したのは1カ月間に1万回検索されるキーワードで、検索結果の少ないマイナーな単語ではないと主張している。ほかにも、同氏の会社が検索結果の上位に来る検索キーワードを試してみたところ、自社の画像が幾つかのサイトの隣に表示されたという。同氏は以下のような結論を述べている。
わたしには詐欺的に見える。競合企業が当社の画像と一緒に表示される。画像の多くは当社に固有のものだ。わたし自身、Cuilで画像を見て検索結果をクリックしてしまった。「これが探していたものだ」とすぐに判断できるからだ。どれだけの人が同じように画像をクリックして、ほかのWebサイトにアクセスしてしまったのだろうか。
Cuilでは確かに検索アルゴリズムの問題が起きており、まったくではないにしても、かなり関係のない画像が表示されている。同社はこの問題に早急に対処しなければならない。
ソリット氏に、Cuilがいつ画像の問題を解決できるかを尋ねたところ、同氏はすぐに完全に直るという約束はできないが、「今後24〜48時間以内に劇的な対策を取る」と答えた。
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