MSは、大規模なデータベースの運用に適した「SQL Server 2008」の提供を開始した。Webアプリケーションなどに使用範囲を限定した新エディションも追加している。
マイクロソフトは8月1日、データベースソフトウェア「Microsoft SQL Server 2008」日本語版を、ボリュームライセンス形式で提供を開始した。パッケージ製品は9月19日に出荷を開始する。
SQL Server 2008は、大規模なデータの運用に適したデータベースソフトウェア。仮想化技術「Hyper-V」を搭載し、顧客管理や人事、経理サーバなどに分散したデータを、1台の物理サーバに統合できるほか、アプリケーションを変更せずにデータベースを暗号化する機能なども備えている。対応するアプリケーションは195に上り、SQL Server 2005の1.5倍となった。
SQL Serverには基幹業務システム向け、中規模システム向け、小規模システム向けといったエディションが用意されているが、今回新たにWebアプリケーションでの用途に限定した「SQL Server 2008 Web」を追加した。これはインターネットからアクセスできるWebページやWebサイト、アプリケーションなどに使用範囲を限定したもの。PHPからSQL Serverを利用するためのドライバなども提供することで、「小規模なWebアプリケーションに強いLAMP(Linux+Apache+MySQL+PHP)に切り込む」(サーバプラットフォームビジネス本部アプリケーションプラットフォーム製品部グループリードの野中智史氏)としている。
執行役常務ビジネス&マーケティング担当の佐分利ユージン氏は「今年に提供してきたWindows Server 2008、Hyper-V、そしてSQL Server 2008は革新的な機能を持ち、基幹業務システムで利用できる」と自信を見せた同製品の発売に伴い、パートナー企業への支援も拡充していく。SQL Server 2008の技術者育成を掲げ、CSK Win テクノロジーの熊澤幸生執行役員CTOを技術顧問に招へい。熊澤氏は30年以上にわたり、メインフレームを筆頭に数多くのデータベース関連プロジェクトを経験し、2001年からSQL Serverのコンサルティングも手掛けている。こうした実務経験を基にしたトレーニングをパートナー企業に実施していく。
価格は、大規模ユーザー向けのボリュームライセンス「SQL Server 2008 Enterprise」のプロセッサライセンスが290万8800円など。「Windows Server上で稼働するデータベースソフトウェアに対し、60%のシェアを獲得したい」(野中氏)という。
「Microsoft SQL Server 2008」は8月にリリース予定
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