Microsoftが7月に行った10の良いこと忙しい月(1/3 ページ)

わたしはMicrosoftに対して寛容になってきたのかもしれないが、Vistaのマーケティングが青息吐息の状態だからといって、Microsoftがいつもヘマをしているわけではない。事実、7月は同社にとって素晴らしい1カ月だった。

» 2008年08月02日 08時00分 公開
[Joe Wilcox,eWEEK]
eWEEK

 わたしは、Microsoftが7月に行った最も重要なことを10件リストアップした。このリストでは、主として製品発表と買収に焦点を当てた。リストには含まれなかったが、財務アナリストとパートナーを対象としたMicrosoftの各年次カンファレンスの開催や、Comic-ConとE3への参加も注目に値する。Microsoftにとって7月は忙しい月だったようだ。

 以下に、重要度の高い順に10件のリストを示す。

1. Netflixコンテンツのストリーミングで提携

 この独占契約により、XboxユーザーはLiveアカウントから映画やテレビ番組を自分のゲーム機にストリーム方式で受信できるようになる。Netflixは以前からWindows PC向けにストリーム配信サービスを提供しており、最近、テレビに接続する100ドルのRokuボックスを利用した同サービスの提供を開始した。

 Netflixのストリーミングそして近く予定されているXbox Live UIのアップデートは、Xbox 360を単なるゲーム機を超えるものに変身させるだろう。MicrosoftがHD DVDフォーマットに賭けたのは失敗だったかもしれないが、Xboxコンソールとオンラインサービスでリビングルームを制覇するという方向性は間違っていないようだ。

 わたしは近々、新しいXbox 360を買わなければならない。去年引っ越したときに、ワシントンとサンディエゴの間のどこかで360が消えてしまったからだ。わたしは数カ月前にBlu-rayプレーヤー用としてPlayStation 3を買った。このマシンでゲームをしたことは一度もない。

2. DATAllegroの買収

 この買収はタイムリーだった。Microsoftの「SQL Server 2008」のリリースは間近に迫っている。これは有望な製品だが、規模という点で制約がある。DATAllegroはMicrosoftが大規模データベースに対応することを可能にする――SQL ServerおよびWindows Serverで何百テラバイトものデータを扱えるようになるのだ。

 誤解しないでもらいたいのは、この買収はユーザーの利益になるだけではないということだ。Microsoftは自社での活用も狙っているのだ。同社では、ホステッドサービスおよび開発中のサービスプラットフォームをサポートするための巨大なデータセンターインフラの構築を進めている。さらにMicrosoftでは、スケーラブルなストレージも必要になるだろう。こういったインフラは購入するよりも、自社で使いながらそれを売るほうが得だ。

3. Professional Photography Summit

 わたしは1カ月に2回ほど、いろんな人からMicrosoftのプロ向け写真戦略について質問を受ける。同社にそのような戦略が存在するのかどうかは疑問だが、徐々に確立しつつあるようだ。写真分野への取り組みは、キヤノンやニコンなどのカメラメーカーのRAWファイルをサポートするVistaの登場で本格化するはずだった。しかしこの戦略は、Vistaが出荷される前に頓挫してしまった。

 7月に開催された同サミットは、プロの写真家との対話を開くものとなった。わたしは、この対話は極めて重要だと考えているが、Microsoftは出遅れたのに加え、取り組みも不十分ではないかという疑問もある。Adobeの「Photoshop Lightroom 2.0」(7月29日にリリース)およびAppleの「Aperture 2.1」(7月28日にアップグレード)は、現在出回っている中で最も優れた写真編集用製品である。LightroomはMacとWindows上で動作するが、ApertureはMacにしか対応していない。

 写真はWindowsのキラーアプリケーションになるべきだが、Microsoftは大した製品を用意していない。この分野では、的を射た買収戦略によってMicrosoftは前進できるかもしれない。わたしのお勧めはPhase Oneだ。同社は既にMicrosoftと緊密な業務提携を結んでおり、優れたRAWワークフローアプリケーション「Capture One」を提供している。

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