SSDとSATA RAIDのベンチマーク比較Validation Case Study(1/2 ページ)

一昔前に比べれば安価になったSSD。シークタイムの点ではHDDより圧倒的に優れているものの、HDDから移行する価値はどのくらいあるのだろうか。幾つかの比較を行ってみた。

» 2008年08月07日 00時00分 公開
[Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 ソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)には、従来のプラッタ回転式のハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)にない利点が数多くある。無音、低電力、低熱放出性、耐衝撃性、そして特に重要なのがシークタイムの極度の短さだ。SSDによってどれほどパフォーマンスが向上するのかを確かめるために、ノートPCで利用できる最新のSSDでBonnie++によるベンチマーク評価を行った。

 簡単に説明すると、SSDのストレージ方式にはシングルレベルセル(SLC)とマルチレベルセルの2つがあり、普通はSLCドライブの方がパフォーマンスは高い。

 読み書きの速度、フォームファクタ、容量はSSDごとに異なる。今回はMtron製のSSDを幾つか検討した。フォームファクタが3.5インチでも2.5インチでもパフォーマンスは変わなかったので、それなら2.5インチのドライブを選んだ方がよい。そうすればデスクトップPCだけでなくノートPCにも内蔵して使える。Imationブランドで供給されているMtron製ドライブは、ローエンドの「個人用」ドライブのMOBIブランドと(より高速な)プロフェッショナル向けのPROブランドに分かれている。PROシリーズは、MOBIシリーズに比べて書き込みで10%、読み取りで20%高速化されているという。ただし、シークタイムはどちらも同じ値になっている。

 今回の評価には、32Gバイトの2.5インチMOBIドライブを用いた。PROドライブを使えば転送速度はわずかに向上するが、価格の方も25〜35%増しになる。以降のテストではシークタイムに注目しているため、それぞれの結果に10〜20%の速度向上を加味すればPROドライブのパフォーマンスが分かる。

 現在、この32GバイトSSDは500ドルほどする。750GバイトのSATA HDDが約130ドルであることを考えると、このSSDと同じ金額を出せば、従来の「回転式ストレージ」HDDで2Tバイト(32Gバイトの約60倍)のストレージ容量が、しかもシングルディスク障害に対処可能なRAID-5構成で得られるわけだ。

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