ブレードサーバでグリーン&仮想化

「Generation 3」に到達したブレードサーバグリーン&仮想化を支える(1/2 ページ)

仮想化、グリーンITといったトレンドのもと、俄然ホットなブレードサーバ。市場も拡大傾向だ。第3世代とされる各社最新のラインアップに至った経緯は――。

» 2008年08月11日 08時00分 公開
[大神企画,ITmedia]

ブレードサーバの現況――紆余曲折を経て開花する?

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 ブレードサーバがサーバ市場に登場してから約10年の時間が経とうとしているが、これまでの実績は決して順風とは言えなかった。第1世代のブレードサーバは、特にホスティングサービスなどの限られた市場で稼働するエントリーサーバの高集積化を狙ったもので、モバイル用のプロセッサやハードディスクなどのパーツを採用することで低消費電力と省スペースを実現する製品だった。アイデア自体は斬新であり、大手サーバベンダーもブレードサーバの研究を始め、同様の製品を投入したベンダーもあった。ただし、低消費電力と省スペースは実現できたものの、性能面では既存のラックマウント型サーバ、タワー型サーバにはるかにおよばず、パーツの堅牢性、信頼性にも課題があった。

 ところが、第1世代のブレードサーバが抱えていた性能や堅牢性、信頼性という課題を解決するために、ラックマウント型サーバと同等のパーツを組み込んだブレードサーバが出現する。第2世代に当たるこうしたブレードサーバは、確かに性能や堅牢性、信頼性を向上させたが、今度は電力消費量の拡大、熱対策といった新たな課題が生まれてきた。高集積化というブレードサーバの本来の意義も薄れ、ラックマウント型サーバとほとんど変わりない実装密度になってしまった製品もあり、ブレードサーバへの期待は大きく失墜することになった。2005年にはSun Microsystemsのように、ブレードサーバから一時的に撤退するサーバベンダーも表れた(その後、Sunは再参入を果たしている)。

 これら“期待外れ”の声をヨソに、ブレードサーバは次の世代に向かう。パーツベンダー、とりわけプロセッサベンダーが取り組んできたマルチコアベースの新しいアーキテクチャが日の目を見たことで、低消費電力と高性能を両立しながら高集積化を実現するブレードサーバが登場し始めたのだ。サーバベンダー各社は、ブレードを収納するエンクロージャ(シャーシ)の設計見直しを進め、現在のようなエンタープライズ用途に耐え得るブレードサーバが投入されつつある。

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