サービスレベルの向上を実現――リピート顧客への確実なフォローも ホテルのインターネット予約管理(2/2 ページ)

» 2008年08月13日 08時00分 公開
[ITmedia]
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顧客の個別ニーズに応える返信メールを迅速に作成

顧客サービスの概要

 また、返信メールの正確さも増した。以前は返信メールを書くとき、過去の返信メールの中から相応しいものを選び、それをひな形にして作成することが多かった。そのため返信前に、顧客の名前や日時に間違いがないかをチェックする必要があったが、現在は「Salesforce」が顧客情報が事前に入ったひな形を作成してくれるため、確認の手間がかからない。

 「これらの効率化によって、問い合わせやレストラン予約の内容を読んでから返信するまでの作業時間は、約半分に短縮。質の高い対応を迅速に行えるようになったことで、お客様からも喜ばれています」と寺西氏。

 さらに2006年にはインターネット予約システムを刷新。それを機に「Salesforce」を連携させて、自社サイトからの予約情報がCRMのDBに直接入り込む形に変更。予約情報はフロントシステムに入力するだけでよくなり、二重入力の無駄も無くなった。

 ちなみに昨年には、飲料などのほかの部門にも「Salesforce」を導入。現在は部門ごとに個別に活用しているが、今後はDBを一元化して顧客情報の共有を進めていく考えだという。

導入効果を聞く 今後は各部門の顧客情報を一元化してより質の高いサービスを目指したい

ITmedia 導入の効果は? 

寺西 問い合わせを確認してから返信するまでの時間が3〜4分で済むようになりました。以前は倍の時間を要していました。3〜4分の違いというと大差ないように感じるかもしれませんが、月間予約数は入力ベースで約3000件。わずか数分の効率化でも、月間では大きな差になります。

ITmedia インターネット予約システムと連携させたそうですね。

寺西 インターネット予約システムにもメルマガ配信などに使う顧客DBがあります。ただ、このDBには、ほかの予約サイトから入ってきたお客様のデータは蓄積されません。ネット経由の顧客情報をまとめるには、やはりCRMとつなげて一元化する必要がありました。具体的には、5分おきにバッチ処理して「Salesforce」に反映。予約や問い合わせはしていないがメルマガを読むという顧客データも取り込めるので、そうしたお客様に対してキャンペーンすることも可能になりました。

ITmedia 今後の展開は?

寺西 2006年4月に、ホテルシステム全体の見直しがあり、料飲、宿泊、管理部門、フィットネスにそれぞれ「Salesforce」を導入しました。それまで各部門にメンバーシップがあったので個別に顧客管理をしていましたが、より質の高いサービスを提供するためには、横の連携が不可欠。今後は顧客情報を一元管理する方向で進めていきたいと考えています。


※本記事は2007年5月10日に掲載した記事を一部編集し再掲したものです。

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