「今まではあまりなかったが、今後は口コミなどを体系的に調べるウェブ分析の市場が拡大する」
こう話すのはIT調査会社のガートナージャパンの主席アナリスト、川辺謙介氏だ。川辺氏は「ITの主流は今後、システム構築ではなくデータの活用だ」と強調する。口コミに限らず、企業の情報システム担当者は、これまで構築してきたデータを効果的に分析し、ビジネスの新たなアイデアにつなげるのがこれからの新しい仕事の1つになると言い切る。
これに関連して、同氏が注目しているソフトウェアは、テキストマイニングだ。コールセンターなどで集めた顧客の声をテキストマイニングソフトで分析し、製品やサービスに欠点があれば改善し、顧客満足度を向上させる。「クレームを顧客満足に変化させる」という業務プロセスを恒常的にループさせる体制が求められるという。
こうした取り組みをガートナーは「エンタープライズフィードバック管理」と呼ぶ。海外では複数のベンダーが既に取り組んでいるが、国内では野村総合研究所や米SPSSの日本法人などがこの手の取り組みを支援するソフトウェアを販売しており、今後注目を集めそうだ。
このように、企業にとってインターネット上の掲示板やブログへの書き込みは無視できないものになりつつある。さらに、口コミを含め、データを丁寧に分析する企業が今後市場で優位性を確立していくことは、ほぼ間違いのない傾向といえそうだ。
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