Google Chromeが推進するブラウザ新世代オルタナブログ通信(2/3 ページ)

» 2008年09月19日 17時34分 公開
[森川拓男,ITmedia]

Chromeが推進するブラウザ新世代

 さて、Webブラウザの世界では、前回取り上げたように、米Googleによるオープンソースブラウザ「Google Chrome」が登場した。

 西本智氏「ここを隠れ家とする。」のGoogle Chromeの速さにびつくりした。や、玉川岳郎氏「ニュータイプになろう!」の今週の多事争論--Chromeは新たなSaaSプラットフォームなのかなど、すでに何人かのオルタナブロガーによるリポートもされている。

 加えて、約1年8カ月ぶりに帰ってきたブロガーからリポートが届いた。神田敏晶氏「KNN神田のITニュースのツボ!」のGoogle Chromeのショートカット戦略だ。なかなか読み応えのあるエントリーなので、ぜひ読んでほしい。林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」のGoogle Chrome の登場でOSからWebブラウザへGoogle Chrome とクラウドコンピューティングも、併せて読むと面白い。

 しかし、あまりいい印象を持つ人ばかりでもないようだ。例えば新倉茂彦氏「新倉茂彦の情報セキュリティAtoZ」の私の知らなかった、GoogleのブラウザーChromeにある「感じ悪い」機能で示されたような、プライバシーにまつわる事実。Googleとプライバシーといえば、ストリートビューなど枚挙にいとまがない。これを気持ち悪いと受け取るのか、それとも便利さのためには仕方がないと考えるべきか、それはユーザー次第だろう。なお、新倉氏はChromeって「ちょろめ」らしい。慎重に「チョメチョメ」するつもりが・・・にあるように、結局はChromeを使って見たようだ。プライバシーという点では新倉氏の今度は上空から・・・「影の動き」を分析し人物を特定にあるように、影の動きから人物特定ができるようになってきたというから、プライバシー問題はますます難しい局面になりそうだ。

 Chromeというと、とにかく速いという印象だ。それについて小林啓倫氏「シロクマ日報」のChrome が仕掛ける「軍拡競争」では、これはGoogleがブラウザの高速化競争を招くことが真の狙いではないかという意見を紹介。高速ブラウザを投入することで、IEなどほかのブラウザも高速化されていくならば、Googleにとってメリットは大きいというのだ。小林氏はさらに、「この先ウェブは2つや3つに分かれていくのではないか」において、今後はWebに求められるものやアピールするものなどが分かれていくのではないか、という分析もしていて興味深い。また、小川浩氏「Speed Feed」のJavaScript+HTML VS Silverlight = Google VS Microsoftでは、Googleの狙いは別のところにあるという意見も紹介。果たして、Googleの真の目的はどこにあるのか、注視していきたい。

 Chromeが盛り上がる一方、その前にリリースされた「Firefox 3」はどうだろうか。ITmedia海外速報部・広瀬麻子氏「海外速報部ログ」のFirefox 3.1は延期によると、3.1βのリリースが遅れているとのこと。現在、Firefox 3を利用している筆者としても、気になるところだ。

 また、市川朝之氏「Touch and Go」の元気に行こう!フォクすけでは、「FoxMeter」というブログパーツを貼り付けている市川氏の心配が。何と、FirefoxからのアクセスがSafariに負けてしまったために、「フォクすけ」の元気がなくなってしまったというのだ。Chromeに負けたわけではなかったものの、Chromeも3位のIEに肉薄しているために侮れないという。

ネット配信は企業にも、そして映画でも

 Googleにまつわる話題をもうひとつ。佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」の【社内版Youtuube】企業向け映像共有分野にもGoogleが進出や、林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」のGoogleの企業内YouTube、「Google Video for business」で紹介されたように、企業内映像コンテンツ共有分野にも、Googleが進出してきたのだ(関連記事)

 これが企業に与える影響は未知数だが、まずは日本語サービスがスタートするのを待つべきだろう。

 ネット配信では、ほかに面白い話題もあった。ITmedia海外速報部・澤由紀子氏「海外速報部ログ」のマイケル・ムーア監督、新作映画全編を無料で公開だ。日本からはダウンロードできないようだが、興味深い。旧作をネットでというのは日本でもあるが、最新作をネットで、それも無料で配信するというのは、面白い試みといえよう。

Wikipediaで判決?

 Wikipediaを参考にして学生がリポートを書く、はたまた官僚がWikipediaを更新していく――などという笑えない事件が続くが、海外ではもっとすごいことが起きていた。裁判の判決の根拠にWikipediaを利用したというのだ。ITmedia海外速報部・広瀬麻子氏「海外速報部ログ」の「Wikipedia情報は判決の根拠として不十分」と米裁判所で紹介された事例だ。Wikipediaの情報を参考にして下された判決があるとは驚きだ。実際は、Wikipedia情報以外の証拠が十分だったとして判決自体は支持されたようだが、日本でも行われているのではないかと疑いたくなる話題だ。

 事件といえば、久野麻美子氏「ポジティブ果実のなる木」のボストン殺人マップによると、ボストンでは殺人がいつどこで起きたかひと目で分かる「殺人マップ」なるものが公開されているとか。日本でも、地域によっては犯罪マップが制作されているが、これからはネットでも簡単に調べられるようになっていくのは間違いないだろう。

ITと天気

 8月の後半から、ゲリラ豪雨の被害が増加した。それによる被害については、前回も紹介したが、その後こんな被害も起こったようだ。

 エリック松永氏「THE MAN WITH THE ENTERPRISE ARCHITECTURE」の近頃の天気ときたらではジョギングの最中に突然の豪雨、iPodが壊れるという被害を。

 中村昭典氏「中村昭典の、気ままな数値解析」の【83.11%】 ズドーン!落雷でやられたぁ…トホホ…今年は他人事じゃすまないかもでは、落雷による影響で、PCディスプレイやテレビが付かなくなったという。

 松永氏の場合は水害だが、今回のゲリラ豪雨では、中村氏のように落雷によるIT機器(家電)への被害が増大しているという報道があった。中村氏も指摘するように「誘導雷」による被害で、落雷の直撃を受けなくても、電線や通信線などを伝わって被害を与えるのだ。

 ゲリラ豪雨を予想するのは難しい。しかし、日々チェックすることで、多少の対応や準備はできるかもしれない。そんなときに便利なのが、加山恵美氏「C'est la vie」の天気マニアにはいいかも[tenki.jp]で紹介された、日本気象協会が運営する「tenki.jp」だ。今回のリニューアルで、過去のデータをブログに貼り付けることもできるようになったので、記録を付けてみるのもいいかもしれない。

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