ITサービスの“世界メジャー”に挑む富士通の新戦略Weekly Memo(1/2 ページ)

先週、富士通がITサービスの新たなグローバル戦略を発表した。IBMやHP・EDS連合などの競合がひしめく市場で、“世界メジャー”へ向けた同社の戦いが本格的に始まった。

» 2008年09月29日 06時03分 公開
[松岡功ITmedia]

サービス事業の“二枚看板”が記者会見

 「今回発表したサービスは、ITサービスにおけるグローバルブランドのメインプレーヤーの一角に入り込むための戦略の第1弾だ」

 富士通のサービス事業の“二枚看板”といわれる石田一雄サービスプロダクトビジネスグループ長およびリチャード・クリストウ海外ビジネスグループ長の両経営執行役上席常務は、同社が9月24日に開いた新サービスの記者会見で口を揃えてこう語った。

 ITサービスの“世界メジャー”に――この思いは、「Think Global, Act Local」という方針を掲げて海外ビジネスの拡大に力を入れる同社 野副州旦社長の肝いりでもある。その戦略の第1弾として、グローバル企業向けにサービスレベルを統一するなど世界中で均一なアウトソーシングサービスを今年度下期から提供すると発表した。

 新サービスの名称は「グローバル・インフラストラクチャー・サービス」。これまでグループ会社ごとに展開してきたアウトソーシングサービスのメニューを新たに5つのカテゴリーに整理・再構築した。具体的には「データセンターサービス」「デスクトップマネージドサービス」「サーバマネージドサービス」「ネットワークサービス」「サービスデスクサービス」からなる。

 同社の海外ビジネスを統括するクリストウ上席常務は、新サービスの特長を次のように説明した。

 「ここ数年、グローバル企業が増加する中、どこの地域でも均一なサービスを受けたいというニーズが高まっている。新サービスはそうしたニーズに対し、お客様の事業展開における機敏性・効率性・継続性向上を支援するもので、主要国・地域をまたがって一貫性があり、最適化されているのが特長だ。コスト的にもオフショア・ニアショア・オンショアリソースを組み合わせた適正な価格を実現する。さらに堅牢で機動的かつ環境に配慮したファシリティによって、サービスの継続的改善を図っていく」

富士通 新サービス発表の記者会見に臨む富士通の石田一雄サービスプロダクトビジネスグループ長(右)およびリチャード・クリストウ海外ビジネスグループ長の両経営執行役上席常務

 そして同氏は、そうした特長によって「お客様は標準化された高品質なインフラサービスを必要な場所で利用でき、グローバルなリソースから必要なものを選択できる。さらに拠点間の調整など煩わしい作業から開放されて、コア事業に集中することができるようになる」と新サービスの顧客価値を強調した。

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