もうLAMPに頼らない!――格安Webサーバの構築法LAMPからWISAへ〜Webサーバ構築は次のトレンドへ(2/2 ページ)

» 2008年09月30日 16時30分 公開
[下村恭(ハンズシステム),ITmedia]
前のページへ 1|2       

脱LAMPに向けての追い風

 それぞれ長所短所を持つLAMPとWISAだが、ここに来てWISAを後押しする動きが見られる。

 それは、最大のネックであった導入コストを下げることのできる製品をマイクロソフトがリリースしたことによる。それが「Windows Web Server 2008」で、この製品はWindows Server 2008シリーズの特徴である「管理性」「堅牢性」「柔軟性」をそのままに、Webアプリケーションをホストするサーバに特化させることで、価格を低く抑えている。

 特に注目したいのがCAL(クライアントアクセスライセンス)が不要という点だ。実行するWeb Serverのすべてのインスタンスについてサーバライセンスが必要なのはほかのWindows Serverと同様だが、同じマシン内で実行するデータベースへのアクセスにライセンスが不要となった。そのため、バックエンドにデータベースを必要とするWebアプリケーションであっても、Windows Web Server 2008を購入するだけで、CALを購入する必要がない。

 Windows Web Server 2008はパッケージ製品として店頭で購入が可能で、価格も6万円前後(店頭価格)と手ごろなものになっている。データベースサーバにSQL Server 2008 Express Editionを使用し、開発ツールにVisual Web Developer 2008 Express Editionを使用すれば、Windows Web Server 2008の購入費用だけで、Webアプリケーションの構築・運用が可能となる。

 非常に大きな利点となりうるポイントが、Windows ServerやSQL Serverを利用している場合のスケーラビリティである。小規模で始めたWebアプリケーションによるサービスが成功し、規模を拡大するとなったとき、WISAで構築したWebアプリケーションであれば、簡単にワンランク上へアップグレードできるからだ。例えば、SQL Serverを別マシンに移行してパフォーマンスを向上させたり、レプリケーションに対応させるなどといったことも、SQL Serverをグレードアップするだけで対応することが可能となる。

 もちろん、LAMPに対してOSだけをWindows Web Server 2008に変更したWAMPやWIMP(Windows Server+IIS+MySQL+Perlほか)も考えられる。この場合でもOSの管理のしやすさという点で、メリットは大きい。特に中小規模の企業において兼任管理者を置いている場合や、小規模にWebアプリケーションを構築したいが運用コストが気になる場合など、Windows Web Server 2008によるWISAの利点が有効な場合も多いだろう。WISAはWebサーバ構築の次のトレンドとなる力を持っている。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ