「“タダ”で提供しているからといって、高い水準のサービスと信頼性を達成する努力をしなくてもいいということにはならない。しかし、実際に何か問題が起きても、ユーザーは文句を言えないのだということを理解すべきだ。SLA(Service Level Agreement)も存在しないし、正式なサポートも限られている」
さらにドレーク氏は、もっと充実したサポートを必要とするユーザーは、24時間サポートを提供しているGoogle Apps Premier Editionを購入すればいいとアドバイスしている。同氏自身は、障害が起きたときに備えて電子メールアカウントのバックアップを保持しているという。
MicrosoftやIBMが提供するオンプレミス(社内保有)型電子メールアプリケーションを運用しているか、GoogleやZohoのSaaS型アプリケーションを利用しているかにかかわらず、ユーザーは常に自分のデータをバックアップすべきである。
問題はほかにもある。Googleのような企業は、全面的にクラウド内に存在している。Googleが今後も障害やバグで苦労するようだと、同社はアプリケーションビジネスを拡大できるだろうか。
もっと一般的にいえば、ユーザーはSaaSのアクセス障害に嫌気がさし、MicrosoftやIBMなどが提供するオンプレミス型ライセンス方式に戻るのではないかということだ。
わたしはそうならないことを願う。クラウドコンピューティングには明るい未来があるが、われわれがオンプレミス型コラボレーションプラットフォームで作成・保存するデータをバックアップするのと同じように、SaaSでやり取りするデータもバックアップしなければならない。
わたしはクラウドを愛しているが、恋人と同じく、クラウドもわたしたちの心を打ち砕くことがあるのだ。
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