BIツールを組み合わせ、分析力と表現力を強化――SBIインテクストラ意思決定迅速化を支援(1/2 ページ)

知的財産情報を活用した経営層への意思決定支援サービスを展開するSBIインテクストラは、自社開発した分析ツールにBIツール、「MicroStrategy 8」を組み合わせ、よりレベルの高いサービスを提供している。

» 2008年10月22日 10時45分 公開
[ITmedia]

導入前の課題

自社開発した情報分析ツールにおいて、ユーザーの多様な分析に関するニーズに応じた機能強化が求められていた。


導入後の効果

BIツールの導入により、最小限のコストで大幅な機能強化を実現。ユーザーのデータ活用の範囲が広がった。


より効率的な製品開発のために

 SBIインテクストラは知的資産を可視化、分析し、経営層の意思決定を支援するサービスを提供している。

 ものづくりを事業の柱としているメーカーなどでは、経済情勢が悪い方向に進んだとしても、研究開発費については削減することは最後の手段となっていることが多く、それだけ技術力の向上は必須の課題である。そこで求められるのが、技術開発の方向性をどのように定めるのかという正しい意思決定である。この意思決定には、将来の市場動向や顧客ニーズの変化、他社の研究開発動向などさまざまな要素が必要となってくる。もちろん自社でどのような特許を出願しているかなどもこれに含まれ、自社に足りない技術をどのように確保し、競争力の高い製品をいかにすばやく市場に投入するかが企業の成長力の試金石となるわけだ。

 このように効率的な自社の研究開発プランを設定するには、どうしても他社の技術力の実質的な内容を見極める必要が出てくる。他社が先行して取り組み成果として特許を出願しているテーマを、多額の費用をかけ自社で新たに研究開発していったのでは、競争力の高い製品を早く市場にだすことは難しくなってくる。「すべての技術を自社開発で」という時代はとっくに過ぎ去ってはいるが、そこからさらに進んだ「選択と集中」が求められているのだ。

 このように、開発しようとしている製品のコア技術、そしてそれを支える周辺の技術の双方において、他社の技術力を深く分析することは、意思決定の重要な要素である。コア技術においても周辺技術においても全体を見極めたうえで、研究開発費の配分を判断していかなければならない。従って、具体的には、他社の特許出願内容の把握、分析の力量が問われてくるわけだが、この作業においても、一部の社内の専門家チームが時間をかけて行うのではなく、可視化しできるだけ多くの人たちの判断を集め、スピードを高めようという動きが出てきている。ただし、特許件数は膨大な量であり、技術分野を絞って集めても可視化するには相当な手間を要する。

sbi 「特許情報の迅速、正確な分析と有効活用は、経営の意思決定に大きな影響を及ぼす」と語る、SBIインテクストラ取締役ソリューション事業本部長の久保田茂夫氏

 SBIインテクストラ取締役ソリューション事業本部長の久保田茂夫氏は次のように話す。

 「特にITやエレクトロニクス分野では、顧客ニーズの多様化に対応する一方で、より短期間で製品を市場に投入することを求められており、製品開発期間の短縮化が重要になってきています。そういった動きの中で、自社技術の活用にとどまらず、他社から技術(特許)のライセンスを受けたり、オープンイノベーションと呼ばれる、社外から技術を調達したりすることも行われます。そのため、例えば、他社技術を導入するかの意思決定を行なう際に、どの特許にどれくらいの価値があるかを分析した情報も見ていくことが重要となってきます。特に特許出願が多い製造業では特許情報の分析と有効活用が、製品戦略上重要です。他社保有の特許を侵害すれば、大きなリスクとなるので、重要な特許は、他社からライセンスを受けるのか、技術を持つ企業との積極的な提携、あるいは買収などについても検討する必要があるわけです」

 久保田氏によれば、半導体に関連する特許は、国内で年間約3万件も申請されるという。権利期間を考えれば、評価すべき特許情報の数はその何倍にも達する。これだけの数があると、到底人間の目では追いかけることはできない。

膨大な特許情報を迅速に分析する

 このように膨大にある重要な特許情報を、経営の意志決定支援に活用するための手段として、SBIインテクストラでは特定の技術に関する特許の重要度(質)を分析・評価するツール、StraVisionを提供している。

 StraVisionの特長は、この膨大な量の関連特許情報を、ITの力を用い一瞬にして解析できるところにある。さらに、これまでに行ってきたコンサルティングサービスの経験やノウハウに基づき、技術競争力や事業競争力を測るPCI(Patent Competency Index)という特許の質を評価する指標を独自に開発し、これを付加することで評価の視点を量から質に変えることができるのだ。

 「対象となる技術分野の特許にどれくらい他社が注目しているか、特許の出願・権利化にどのくらい力をいれているか、そして権利範囲の広さといったことを特許情報から得られる客観的データを用いて数値化し、特許の質を評価しています」と久保田氏は語る。

 日米あわせて1100万件の大量の特許情報をStraVisionは持っている。従来、他社でも特許情報を検索し提供するサービスはあったが、それらは提供する情報量に応じた従量課金となり、最小限の特許情報を得るといった用途に限られていた。StraVisionを利用すれば、1985年以降の特許情報の全てを定額で利用することができるため、関連特許情報の質の十分な分析が可能だ。

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