インターシステムズジャパンは、同社のDB「Cache」のデータを直接参照する組み込み型のビジネスインテリジェンス機能の提供を開始すると発表した。
処理の高速性を特徴とするオブジェクトデータベース(DB)を提供する米Intersystemsの日本法人、インターシステムズジャパンは10月23日、DBのデータを直接参照する組み込み型のビジネスインテリジェンス(BI)機能の提供を年内をめどに開始すると発表した。パイロット利用する米国のソフトウェア企業が病院向けのソフトウェアの提供を開始している。
製品名は「DeepSee」。主力のDBソフトウェア「Cache」に組み込むアプリケーションとして提供する。Cacheに蓄積したデータを直接参照して分析することで、導入企業は業務に役立つ情報をすばやく得られる。10月から新社長に就任した植松裕史氏は、従来型のBIは定期的にDBからデータを抽出してDWHを構築するなど手間がかかるが、「DeepSeeはDBを直接参照する」ため単純な仕組みで済むと話している。
高速処理を実現しているのはトランザクショナル・ビットマップ・インデックスと呼ぶ技術。例えるなら「検索するデータの“住所”に直接たどりつける技術」(植松氏)という。一般に、リレーショナルデータベースでは、各テーブル間を主キーを軸に連携させているため、複雑な分析処理をする場合はさまざまなテーブルのデータを経由しなければ目的のデータにたどり着けない。
DeepSeeをパイロット導入した病院向けソフトウェアを開発、提供する米Quadramedは、患者の登録ワークフロー機能をDeepSeeをベースに構築し、9月29日に提供を開始した。これにより、登録におけるルールの設定と、スループットやバックログなどのシステム品質をリアルタイムに監視できるようになった。ルールのチューニングとパフォーマンスなどをリアルタイムに管理できるのが特徴。登録処理業務のリアルタイムの監視や報告などができる。
「医療機関や金融機関など、業務に緊急性があるためにリアルタイムのデータが必要な業種での活用を見込んでいる」(植松氏)
コールセンターなどがDeepSeeを活用する場合、例えば、常に最新のコール数や顧客の志向などが分かる。リアルタイムに直接データを参照できるからこそ可能という。
DeepSeeの稼働環境はWindows、Linux、Mac、UNIX、OpenVMS。価格は最小構成で70万円(税別)から。
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