昼休み中のPCセキュリティ実態――2割が「何もしていない」AdminIT Daily News

仕事で「顧客情報を扱う」人は、約7割。しかしPCの電源状態について「トイレなどで10分ほど席を外すとき」は4割近くが「何もしていない」と回答するなど、一時的に離席する際のセキュリティまでは強く意識されていないようだ。アイシェア調べ。

» 2008年11月04日 13時49分 公開
[ITmedia]
アイシェアの調査結果 「トイレなどで10分ほど席を外すとき」は4割近くが「何もしていない」と回答。ロックなしのスクリーンセーバーにはセキュリティ効果が薄いことも踏まえると、対策は急務といえそうだ

 サラリーマンやOL諸氏にとっては、憩いの時間といえる「昼休み」。休み時間の開始10分前ともなれば、限られた時間をどのように過ごすかで、アタマを悩ませる方も多いはず。でも、ほかにも考えるべきことがあるはずだ。そう、席を立つその際、あなたの業務用PCが無防備なままになってはいないだろうか……?

 情報漏えいやウイルス感染といった事件が絶えない現在、常識といえる企業のセキュリティ対策だが、ネットマーケティング企業アイシェアの調査により、仕事でPCを使う人の2割が、昼休み中のPCセキュリティについて対策していないことが分かった。調査対象は20代から40代を中心とする331人。男女比は男性62.5%に対し女性が37.5%で、調査期間は2008年10月21日から10月23日まで。

 回答者のうち、使用しているPCで「顧客データを扱うことがある」としたのは、「頻繁にある」と「たまにある」を合わせて約7割。昼休みに入る際、PCの電源はどうしているかについては「スクリーンセーバーにしてロックをかけている」が最も多く28.7%。以下「スクリーンセーバーにしている」が13.6%、「シャットダウンしている」が13.3%と続くが、「何もしていない」という無体策派も20%を超えていた……。

 一方、トイレなどで10分程度、席を外す際の電源状態については「スクリーンセーバーにしてロック」が31.7%と微増したものの「スクリーンセーバー」は11.8%、「シャットダウン」は2.4%まで減少。しかも「何もしていない」派が38.1%と、昼休み時に比べ20ポイント近く激増。一時的に席を空ける際のセキュリティ対策までは、従業員の意識がおよんでいないようだ。

 PCに対するセキュリティ監視ソフトの導入については「担当が管理している」が50.5%。「自分で入れている」も37.2%にのぼるが「分からない」「何も入っていない」とした人も、合わせて1割を超えている。

 会社でのPC利用に関するルールや運用規定について「厳しい規定がある」と回答した人は全体の38.4%程度。「規定はあるが自身の判断によることが多い」が19.3%で「規定はあるが割と自由」が18.7%。しかし「規定がない」という回答が23.6%もあり、多くの職場では規定の有無にかかわらず、PCの利用は各人の裁量に任せている模様だ。

 顧客情報や企業データの取り扱いに関する会社側からの指導についても69.2%が「指導あり」だった一方、「指導なし」という回答が30.8%もあった。

 企業におけるセキュリティインシデントは、外部からの攻撃もさることながら、悪意の有無を問わず内部によって引き起こされることが多い。個人の良識に頼るだけでなく、システム管理者が主導して、組織的な対策を徹底する必要がありそうだ。

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