内線電話という名のナースコールに呼び出され……悲しき女子ヘルプデスク物語(2/3 ページ)

» 2008年12月10日 08時00分 公開
[鐙貴絵,ITmedia]

便利さは、良いことだけをもたらしてはいない

 PCがオフィスで一般的に使われるようになった頃。周辺機器を接続する際は、必ずといっていいほど手作業でデバイスドライバをインストールしなくちゃいけなかった。10年ほど前にはプラグアンドプレイという言葉がもてはやされ(今じゃ当たり前なのに)、デバイスドライバのインストールが自動化され始めた。

 そして最近では、もっとインテリジェントになり、つないだだけで自動的に認識して使えるような周辺装置も増えた。USBメモリやUSBマウスなどはその典型だろう。

 しかしその便利さは万能ではない。PCに「何でもつなげればすぐ動く」と誤解している人が増えてしまったように感じる。コネクタなどをつないだだけで「動かない」とヘルプ要請がかかることも、たびたびある。例えばノートPCの外部ディスプレイコネクタにディスプレイやプロジェクターを接続した時には、画面出力の切り替えが必要だ。しかしそのことを知らない人は意外にも多い。

 そして結局、今回もこのパターンだった。

 何も言わず、キーボードで「Fnキー」を押しながら、画面表示用のファンクションキーを押すわたし。プロジェクターの画面が一瞬フラッシュしたかと思うと、おもむろにデスクトップ画面が表示される。今まで散々あれやこれやと触ったけれど、結局何も表示されなかった(もとい、表示させられなかった)彼らは、キツネにつままれたような表情になった。と同時に安堵のため息。そして手品でも披露されたかのような、わたしへの小さな賞賛。うふふ、こんなことで注目を集めるなんて。その後、詳しい説明をしてその場を立ち去った。

 さて、気のきいた人であれば、これだけ“すったもんだ”すると、問題をよく覚えてくれていて、同じメにあった時に「ああ、確かFnキーを押しながら……」という具合に自己解決してくれる。でも残念ながら会社の中は、そんな都合の良い人ばかりではないのよ……。何度も同じ内容で呼び出されるぐらいだったら、PCからの表示切替方法を書いたメモを資料として作成しておいたほうが良いだろう。

 早速「PCの画面をプロジェクターに表示させる方法」なる資料を作成することにしたわたし。もちろん、PCの機種によって外部出力させるための操作も多少違う。それを考慮したうえで資料を作成し、プロジェクター収納ケースに入れておいた。これで呼び出し回数が少しでも減ってくれるといいな。おお、こういうのを「プロアクティブな問題管理」というのかな。何を隠そうわたし、少し前から勉強しているのよね。


 もちろん、正しく配線され、操作も間違っていないのに、動かないってことだって時々ある。例えばLANケーブルが正しくルータにつながっているのになぜか外部ネットワークに出ていけない。仕方ないからルータのスイッチを一度切ってもう一度スイッチを入れてみる。すると、正しく接続される。こういうことがここ数カ月かで何度かあった。

 原因は? と追求したくはなるが、分かった試しがなく、最近はそんな気持ちにもならない。とにかく電源を入れなおせばつながるようになるんだし(映らないテレビを叩いて直す感覚)。これはインシデント管理といえるのかしら?

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