静岡県立総合病院、EMC製品で20TBの放射線画像を電子保管

静岡県立総合病院はEMCのストレージとストレージ管理システムを導入し、病院内外の放射線画像データを保管するシステムを構築した。3つの病院からなる独立行政機構の共通した情報インフラとしての活用を目指す。

» 2008年12月10日 20時07分 公開
[ITmedia]

 静岡県立総合病院は、EMCジャパンのストレージで院内の情報インフラを構築した。院内の放射線画像システムの放射線画像をすべて電子保管するのが目的。10月から稼働しているこのシステムは、独立行政法人化による3つの病院による共同機構のIT基盤の統合化を視野に入れた取り組みでもある。

 同病院では2006年に画像診断装置や放射線治療機器を導入して、院内で保有する放射線画像を電子保管する体制を整備してきた。年間約1500件の、画像データを用いた診察や検査依頼に対応しなければならず、画像データの量が20テラバイトにおよび、従来のシステムの容量では対応できなくなっていた。また、院内の30台以上のサーバを共有化していなかったため、容量の無駄が生じていた。

システム構成図

 将来的なデータ量の増加に対応できる拡張性などを考慮し、EMCのストレージ「EMC CLARiX CX3-40」と、SAN環境でのリソース管理を自動化するストレージ管理ソフトウェア「EMC ControlCenter」を導入した。SANを構築したことで、各サーバが必要に応じたI/O性能やRAID構成、容量などを配分できるようになり、院内システムを横断的に統一する情報インフラとなった。運用コストの低減や、ハードウェアの重複投資を防止する狙いもある。

 同病院は2009年4月に独立行政法人化し、「県立こころの医療センター」「県立こども病院」とともに「地方独立行政法人 静岡県立病院機構」となる。今後は、3病院のネットワークを連携させ、アプリケーションやメールシステムを順次導入していく予定という。ハードウェアとアプリケーションを分離し、ストレージシステムなどのITインフラを仮想化して統合管理することで、全体最適化を図る計画もある。

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