GoogleやMicrosoftのSaaSメール、最大1万5000シートまで費用対効果で有利「自社運用型」と二者択一か、両立か(1/2 ページ)

GoogleやMicrosoftの前に、メッセージング/コラボレーションSaaS市場の大きなパイが横たわっている。Forrester Researchによると、1万5000シートまでであれば、クラウド型の電子メールは自社運用型よりコストの面で優れているという。あなたはどちらを選ぶか、あるいは自社運用型とクラウドを両立させるか――。

» 2009年01月23日 08時30分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 GoogleやMicrosoft、Cisco Systems、Yahoo!などの前に、メッセージング/コラボレーションSaaS(サービスとしてのソフトウェア)市場の大きなパイが横たわっている。Forrester Researchによると、1万5000シートまでであれば、クラウドコンピューティング型の電子メールは自社運用型よりコストの面で優れているという。あなたの会社はどちらを選ぶか。あるいは自社運用型とクラウドのハイブリッドアプローチを取るか――。

 GoogleやMicrosoft、Yahoo! Zimbra、Cisco PostPathなどが提供するホスト/SaaS版の電子メールシステムは、これまで小規模ビジネス向けの簡易サービスと見下されてきたが、最近はエンタープライズ市場のローエンドでも急速に注目を集めつつある。

 SaaSやクラウド型の電子メールシステムは、1万5000ユーザーまでの企業や部門であれば、コスト効率に優れている。Forrester Researchのテッド・シャドラー氏は、北米および欧州の主要企業53社のITプロフェッショナルを対象に、電子メールやそのほかのメッセージング/コラボレーションサービスの利用実態を調査し、そう結論付けた。

 シャドラー氏によると、クラウド型の電子メールはこれまで小規模の企業にアピールしてきたが、自社運用型の電子メールに掛かるコストや管理の負担に加え、GoogleやMicrosoftのサービスが高機能化したことで、SaaSプロバイダーの売れ筋のサービスが、最大1万5000のメールボックスを利用する顧客にまで拡大したという。同氏は次のように指摘する。

 「汎用クラウド型の電子メールが自社運用型の電子メールよりコスト面で有利な点は、約1万5000ユーザーあたりまでだ。従業員の効率性やサーバ当たりのメールボックス数、OSのコストなど、さまざまな要因でそのポイントは前後するものの、おおまかな指針としてユーザー数1万5000というのが、ホスト型Exchangeプロバイダーに向かうべきかの分岐点となる」

 例えば、ユーザー数2万5000のクラウドショップにおけるユーザー1人当たりの月額コストは23.05ドルだが、同じ条件で自社運用型の場合、月額コストは22.52ドルとなる。「ただし、コスト面でいえばGoogleに勝るものはない」とシャドラー氏は言う。

 広く知られているように、Googleはユーザー1人当たり年額50ドル、または月額4.17ドルのGoogle Apps Premier Editionで、低コストの電子メール/アーカイビングの新しい舞台をクラウド上に実現した。シャドラー氏は、従業員やメッセージアーカイビングのコストを含め、同サービスを利用する場合の総コストを月額8.47ドルと計算している。

 GoogleはGenentechやAvago Technologiesといった大手顧客にもサービスを提供しており、こうした価格体系でも十分な利益を出しているとシャドラー氏は言う。従業員のメールシステムをGmailに移行しつつあるSerena Softwareなども、Google Appsへの傾倒をさらに強めている。

       1|2 次のページへ

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

注目のテーマ

あなたにおすすめの記事PR