通話をしない携帯「電話」――2009年モバイル事情オルタナブログ通信(2/4 ページ)

» 2009年01月23日 15時00分 公開
[森川拓男,ITmedia]

予告無し課金問題とは?

 佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」の【予告無し課金問題】リンククラブのDMを受け取っているので取り急ぎ通帳記入をしなければで取り上げられた、「リンククラブ」が昨年末に予告無しに値上げとカード決済を行った問題は、総務省が運営会社を聴取するという事態にまで発展した。

 本稿執筆時点ではその後の進展が見られないが、ユーザーに対する周知が不十分だったことは、明らかだ。佐々木康彦氏が、【予告無し課金問題】直接連絡経路が確立しているなら、やはり連絡はHPよりも郵便・メールを優先すべきではないか?で指摘したように、他の手段が利用できるのだから、「Webサイトで告知した」だけでは、予告していないと判断されても仕方がない。筆者も複数のサービスを利用しているが、このような重要なケースでは、メルマガの配信を停止しているユーザーにもメールで告知がされるのが一般的である。

2009年の景気回復は、遠い道のりか?

 一瀬宗也氏「島ナイチャーの沖縄探訪」の急激に冷え込んできた沖縄経済を見て、景気回復の道のりが遠のいた思いがしてしまった。一瀬宗也氏が指摘するように、新しいことを取り入れて、古い仕組みのぜい肉を削ぎ落とすチャンスでもある。しかしこの不況下では、企業もなかなか新しいものを取り入れようとしないのも事実なのだ。

 そもそも今回の世界同時不況の発信源はアメリカである。就任したばかりのオバマ大統領がどういう経済政策を行うのかに注目が集まる。そのオバマ政権が誕生する前に、玉川岳郎氏「ニュータイプになろう!」の【貧民大国アメリカ--その2】地球規模で考えてみることの始まりという興味深いエントリーが書かれた。地球規模で物を考えるときがきているのかもしれない。

 しかし、悠長なことは言っていられない。佐川明美氏「佐川明美の「シアトルより愛を込めて」」のSeattle Post Intelligencerも逝くかも...では、また1つのメディアがなくなってしまうのではないかという状況を紹介。そして、米国の失業率と民主党支持の相関性では興味深いデータも見られた。はたして日本ではどうなのか、気になった。

 森戸裕一氏「【考察】企業の組織改善」の日本の将来と次世代人材育成は、日本は次世代人材の育成ができていないのではないか、と警鐘を鳴らしている。

 また、昨年末から派遣切りが話題となっている。川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」の派遣会社は大丈夫なのか...では、今後、派遣会社の倒産が出てくるのではないかという懸念を示し、政治の課題は大きいと指摘している。そして、その先にあるのはホームレスとホープレスではないかというのだが……。

 大野元久氏「IT's my business」の思考実験・未来記事『タクシーの規制復活は何をもたらしたか』は、規制緩和を元に戻したらどうなるかという仮想エントリーだ。この内容が大野元久氏の妄想で終わってしまうのか、それとも……。

 小本恭氏「小本 恭の「IT広報室の雑記帳」」のトヨタのトップ人事報道にみるネットの既知感でも取り上げられているが、トヨタの社長が14年ぶりに創業家出身者へと交代する人事を固めた。このニュースについて小本恭氏は昨年末に報じられた朝日の記事を引き合いに出し、ネットの既知感について考察している。考えさせられるエントリーだった。

 不況の中でも売れるものはある。末岡洋子氏「欧州の視点」の不況で売れる宅配ピザによると、欧州では宅配ピザが売り上げを伸ばしているという。日本でも、年末年始で楽天市場などのネットショップが売り上げを伸ばしたことが報じられたが、関連があるのだろうか。

 不景気対策としては、やはり節約に励むことが早道だ。加藤恭子氏「きょこ コーリング」の無駄遣いを減らすアイディアでは、簡単だが確実に効果が出そうなアイデアを紹介してくれた。しかし、これを進めると今井健夫氏「次元のクルーズ放浪記」の流通のバイブル 「理性消費」と「感性消費」で紹介されているような「感性消費」は減っていくのかもしれない。

 この不況で、IT業界はどうなるのか。栗原潔氏「栗原潔のテクノロジー時評Ver2」の世界のIT市場は3%縮小とフォレスターは言うがその実態は?では、世界のIT市場が縮小傾向にあるというアメリカのリサーチ会社の調査結果を紹介。しかし、コメントにあるように調査時期がいつなのかが重要なポイントとなるような気がする。

 小川浩氏「Speed Feed」のチェ・ゲバラー革命家にはなれないけれど、起業家にはなれる、日本でもでは、自分自身を引き合いに出し、誰もが起業家になれるということを示している。自分なりの革命を起こせるかどうか、不況を脱するために必要な要素かもしれない。

自分ができることって?

 不景気の中で大事なことは、自己アピールかもしれない。奇しくも、複数のオルタナブロガーがそのことについて考察している。

 小俣光之氏「プログラマー社長のブログ」の自分のアピールができない技術者では、採用面接で感じる「自己アピールできない技術者」について紹介。その理由についても考察している。

 一方、大木豊成氏「走れ!プロジェクトマネージャー!」は、自分の出来ることを可視化できるかが重要だと指摘。つまり、「自己アピールできる」ということになる。堀内浩二氏「発想七日!」ができることしかできないで指摘するように、「できることしかできない」のだ。

 また、川上暁生氏の最後は自分でも指摘されたように、自分が肝となる。しかし、それだけだろうか? という思いを新たにさせてくれたのが、加藤恭子氏「きょこ コーリング」の助けてくれる人は誰なんだろうか?だ。自戒を込めて読ませていただいた。その通りだと思う。自分自身のできることを可視化して、そして人を大事にする。これが苦境を乗り越える早道なのかもしれない。

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