ポーリー氏はeWEEKとのインタビューで、Google AppsやMicrosoftのOffice、SharePointが関連性のないアプリケーションで構成されている点を指摘し、LotusLiveではより統合化されたシームレスなエクスペリエンスを実現すると約束した。また同氏は、IBMのソーシャルネットワーキングユーティリティについても、GoogleやMicrosoftと同じようなものにはしないと強調した。
Forrester Researchのアナリスト、テッド・シャドラー氏によると、IBMが統合化を強調するのは、LootusLiveがクラウドベースのサービス向けに一から設計されているからだという。「認証、セキュリティ、コンテンツの各APIは非常に洗練されており、Web 2.0ネイティブ(IBMはRESTフルと呼ぶ)だ」
さらに、LotusLiveはエクストラネットコラボレーションプラットフォームであり、IBMの販売チャネルパートナーは、顧客に安全なカンファレンス、カレンダー、コンテンツを提供できるだけでなく、新しいアプリケーションを統合することもできる。
「他のサービスでこうしたことができるものをわたしは知らない。クラウドベースのエクストラネットコラボレーションプラットフォーム市場は、今年ヒートアップするだろう」とシャドラー氏は予測する。
もっともシャドラー氏は、一方的な賞賛に偏らず、IBMがLotusLiveの価格体系を明らかにしていないこと、電子メールの選択肢が多すぎること、この技術がまだバージョン1であること、販売チャネル側で十分準備できていないことなどを指摘するのも忘れなかった。「ただ、それでも現時点でベストであることに変わりはない」と同氏は語る。
ここで1つ言えることは、IBMのネーミング戦略がWindows Liveに代表されるMicrosoftの悪名高いモーフィングブランドスキームに近づきつつあることだ。
いまBluehouseはLotusLive Engageとなり、昨年10月に発表したIBM Lotus Notes Hosted MessagingはLotusLive Notesにリネームされることになった。さらに、LotusLive Notes. Lotus Sametime UnyteはLotusLive MeetingsとLotusLive Eventsにリネームされる。IBMはSAPとの共同ソフトウェア開発でさえも、AtlanticからAlloyに変更した。
こうした名称変更に一貫性を持たせ、明快な製品名に統一することで、IBMは自社ブランドの希釈化を防ぐ必要がある。
Lotusphere 2009に出席したBurton Groupのガイ・クリーズ氏も、その点に同意する。
「異なる機能セットと一貫性のないネーミングで大きな混乱を招きつつある」とクリーズ氏。「LotusLiveはさまざまな機能(Webカンファレンス、ファイル共有、プロファイル、コンタクトなど)を含むが、大部分は現時点でまだ提供されていない」
LotusLiveは大きな可能性を秘めている。IBMの過去の実績から見ても、おそらく予定通りサービスを開始するだろう。最大の問題は、IBMがストレートなSaaSマーケティング戦略を確立し、空に浮かぶ雲(クラウド)のようにどこかへ流されてしまうことがないかどうか、である。
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