HP、エンタープライズ向けに仮想化と各種サービスを強化企業のIT支出の優先順位付けなど(1/2 ページ)

HPは企業のデータセンター運用コストを軽減するため、新しい製品、サービス、ファイナンスを包括する新事業戦略の一環としてストレージ製品の仮想化機能を強化する。

» 2009年03月12日 14時49分 公開
[Jeffrey Burt,eWEEK]
eWEEK

 HPは企業のデータセンター運用コストを軽減するため、新しい製品、サービス、ファイナンスを包括する新事業戦略の一環として、ストレージ製品の仮想化機能を強化する。また同社は、階層レベル型サービスや統合化および仮想化プロジェクトのROI算定サービス、IT予算の緊縮状況を緩和するファイナンスオプションなどを発表した。

 米Hewlett-Packard(HP)は、企業のITコストを軽減し、景気後退局面でも積極的に技術投資を実施できる一連の新製品、サービス、ファイナンスオプションを発表した。

 「企業のIT支出の優先順位付けやデータセンター資源の最適化、自動化を支援し、ビジネスニーズに最適なIT構築を可能にすることが目的だ」と、HPの技術ソリューション部門マーケティング担当上級副社長、ドボラ・ネルソン氏は語る。

 HPの3月10日の発表は「データセンターの予算がカットされる中、ビジネスサイドからのITへの要求は増大する一方だ、と吐息を漏らす顧客への回答」であるとネルソン氏。HPが示すプログラムの狙いは、データセンターのコストを低減しながら、企業の長期的な成長戦略を支援することだ。

 製品サイドでは、ストレージ仮想化技術を組み込んだ「StorageWorks EVA (Enterprise Virtual Array) 6400」および「同8400」を発表。これらの製品は、企業のストレージ管理コストを最大50%低減するという。また今回アップグレードした「SAN Virtualization Services Platform 2.1」は、ストレージ容量を拡大するとともに、移植、レプリケーション、バックアップ、新規アプリケーションのオンライン化などのスピードアップを実現。これにより、「現行製品を効率的に利用することが可能となるため、顧客は必要なストレージの購入を将来に先送りすることが可能になった」とネルソン氏は説明する。

 さらにHPは、物理および仮想マシンの両方のデータを単一のツールで保護できるソフトウェアとサービス「Enhanced HP Data Protector」の提供も開始する。

 同社はまた、まったく新しい拡張サービスも開始する。同社のEDS部門がApplications Management Servicesの一環として、企業向けに階層レベル型サービスを提供するもので、最も高価なレベルはミッションクリティカルなアプリケーションに、また比較的コストの安いサービスはそれほどクリティカルではないアプリケーションに適用される。ネルソン氏によると、同サービスを利用すれば、全般的なアプリケーション管理コストを40%ほど削減できるという。

 HPは今回、新たにConsolidation and Virtualization ROI servicesを発表した。このサービスを利用して、企業は技術プロジェクトの予想ROIを計算することができる。また、コストダウンを図りながらビジネスニーズに適合するようにデータセンターを設計、改良するためのツールを提供する新サービス、Multi-Tiered Hybrid Designもスタートする。

 このほか、HPはEDSのManaged Servicesを通してさまざまなソーシングオプションを提供するとともに、HP Financial Servicesによる柔軟なファイナンスおよびリースオプションを用意した。

 カナダ・オタワに本拠を置くIP通信ソリューション会社のMitel Networksは、HPの技術を利用して2カ所のデータセンターを1カ所に統合する計画だ。同社は2007年8月にアリゾナ州テンペのInter-Telを買収し、現在、アリゾナデータセンターをカナダ側のオペレーションに統合するプロセスを進めている。

 「われわれの目的は運用コストを下げること。2カ所のデータセンターを1つのエンティティに統合し、仮想化によってコストダウンを図りたい」と、MitelのITグローバルサービス部門を率いるマーク・マクゴウェン氏は統合化の狙いを語る。

       1|2 次のページへ

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

注目のテーマ