スマートフォンは企業で増殖するのか――MCPCの中期予測08年は推定31万台(1/2 ページ)

MCPCが実施したスマートフォン市場の調査結果から、08年の法人利用は約31万台規模になることが分かった。2011年の推定契約台数は約600万台で、このうち法人は約158万台規模になるという。

» 2009年03月20日 09時00分 公開
[ITmedia]

 モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)はこのほど、法人および個人を対象にしたスマートフォン市場の調査結果と中期予測を公開した。2008年の推定利用規模は約133万台で、このうち法人は約31万台となっている。

 調査は2008年10月に個人および企業の情報システム担当者を対象にインターネットアンケートで実施した。有効回答数はそれぞれ1000件ずつとなっている。個人は15〜65歳が対象。なお、スマートフォンの定義を「汎用OSを搭載し、アプリケーションの開発やカスタマイズの自由度が高い端末」とし、具体的にはWindows Mobile、Symbian、BlackeBerry、iPhoneなどを対象にしている。

 2008年の推定利用規模は、個人が約102万台、法人が約31万台。前年度から55%増加した。OS別の最多はWindows Mobileで、個人、法人とも71%を占めた。以下、Symbian、iPhone、BlackBerryの順だった。入力方式別の割合は、タッチパネルやQWERTYキーが大半を占めた。タッチパネル搭載端末の利用比率は、法人が個人よりも7ポイント高かった。

法人利用の最多は営業

 法人の用途別は、営業や渉外業務、顧客管理が66.8%で半数以上を占めた。以下、メールなどの社内コミュニケーション(20.8%)、幹部社員への連絡(18.9%)、店舗や在庫管理(16.9%)、配送・運送業務(16.1%)、医療・福祉業務(11.2%)などだった。大規模企業ほど、社員同士の連絡用途に使われる傾向が高かった。

 個人の用途別では、電子メール(71.3)やWeb閲覧(60.5%)、ネットショッピング(40.0%)が目立ち、インターネットを通じたサービス利用が多数を占めた。

 法人での利用意向は、2011年に2008年比で約2倍になる見込みで、特に営業や渉外業務、顧客管理や工事管理、社内コミュニケーションでのニーズが高くなるという。端末の更新パターンは3年間(31.7%)で最も多く、以下、6年以上(24.5%)、2年間(21.2%)、5年間(15.1%)だった。法人向け端末の出荷は、2009〜2012年に年率20〜30%ペースで増加すると予測している。

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