BI市場の活性化で不景気を吹き飛ばせWeekly Memo(1/2 ページ)

BIの活用に向けた支援サービスがこのところ有力ベンダーから相次いで発表された。ビジネスの“攻め”の道具であるBIの市場が活性化すれば、景況にも好影響を与えそうだ。

» 2009年07月21日 08時26分 公開
[松岡功ITmedia]

日本HPがBIコンサルの新サービスを発表

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が先週14日、より効果的なBI(ビジネスインテリジェンス)活用を促進するためのコンサルティングサービスを発表した。

 BI導入の計画立案から導入後の戦略的活用までをサポートする一貫したサービスで、従来から提供しているデータウェアハウス構築およびBI基盤構築サービスと合わせて、BIの全体最適化を支援する包括的なBIソリューションを提供するとしている。

 新サービスとして提供するのは、「BI戦略と管理サービス」「エンタープライズデータ管理サービス」「パフォーマンス管理と分析」の3分野。米HPが2006年に買収したBIコンサルティング専業会社の米Knightsbridge社と自社のノウハウを融合させ、BIコンサルティングサービスのポートフォリオを新たに体系化した。

 日本HPの山口太HPソフトウェア・ソリューションズ統括本部BIS事業本部 事業本部長は、新サービスの背景についてこう語った。

 「現在、さまざまな企業においてBIをベースにした情報活用への取り組みが本格化しつつある。しかし多くの企業では、各事業部門や拠点ごとに部分最適化したBI構築が行われたことにより、各部門のBI基盤間におけるデータの正確性が保証されず、地域や組織間の枠を越えた戦略的な意思決定や整合性のないデータに起因する業務の無駄が多く発生する傾向にある」

 そして、「そのような状況を改善し、意思決定支援によって正しい情報を効果的に活用するには、情報を社内外の組織の枠を越えて効果的に共有、管理するための新たな枠組みが必要となる。新サービスはそのソリューションとして体系化したものだ」と説明した。

 3分野のサービスの概要を紹介しておこう。まず「BI戦略と管理サービス」では、中長期的な全社ビジネス戦略をベースに、ビジネス部門の要求と情報システムの整合性をとりながら、HPが開発したBI成熟度モデルを用いたアセスメント、およびそれに基づく改善計画(BIマスタープラン)の策定を行う。

 また、「エンタープライズデータ管理サービス」では、複数のシステムに存在するマスターデータを共通的に管理可能にする「マスターデータ管理」を中核に、「情報品質管理」「情報戦略とガバナンス」の3つのサービスを提供する。

記者会見に臨む日本HPのHPソフトウェア・ソリューションズ統括本部BIS事業本部 山口太事業本部長(左)と羽田宏シニア・アーキテクト

 そして「パフォーマンス管理と分析」では、企業内に蓄積された情報を利用し、さまざまな分析、予測を行い、事業の意思決定に効果的に活用するシステムの構築をサポートする。

 これらのサービスにより、BIの部分最適化に伴う情報のサイロ化を解消し、全社レベルでのデータ統合、さらには企業情報基盤としてのBI構築を支援するとしている。

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