ICTインフラ国際評価で浮き彫りになった日本の課題Weekly Memo(1/2 ページ)

総務省が先週公表した主要24カ国・地域のICTインフラに関する比較評価レポートによると、日本は総合評価で2年連続1位となった。が、課題もまた浮き彫りになったようだ。

» 2009年08月24日 09時03分 公開
[松岡功ITmedia]

世界No.1を堅持した日本のICTインフラ

 総務省が先週17日に公表した主要24カ国・地域のICTインフラに関する比較評価レポートによると、日本は12項目の指標を平均した総合評価で前回調査(2008年3月)に続いて1位となった。特にブロードバンドの高速性や料金の安さが、国際的にも際だった結果となった。

 評価指標としているのは、電話基本料金、ブロードバンド料金、光ファイバー比率、ブロードバンド速度、安全なサーバ数、パソコンのボット感染度、第3世代携帯比率、携帯電話普及率、インターネット普及率、ブロードバンド普及率、インターネットホスト数、ICT投資割合の12項目。

 国際比較に当たっては中立性を保つため、国際電気通信連合(ITU)や経済協力開発機構(OECD)などの国際機関が公表しているデータを利用。各国・地域において各指標のデータを偏差値化し、ICTインフラが相対的にどれほど整備されているかを測る総合評価として、各指標での偏差値の平均値により国際ランキングを行った。

 24カ国・地域のICTインフラに関する今回の国際ランキングは表の通り。前回に続いて総合評価の上位3カ国に順位の変動はなく、2位は光ファイバーや第3世代携帯電話の比率が高い韓国、3位は日本と同様にパソコンのボット感染度が低いフィンランドだった。総合評価の上位10カ国をみると、アジアと北欧が多くを占めており、地域による差も浮き彫りになった。

24カ国・地域のICTインフラに関する国際ランキング(総務省「日本のICTインフラの関する国際比較評価レポート」より)

 また、前回から変動が大きかった各国・地域としては、13位から6位になったスイス、10位から7位になったデンマーク、6位から10位になった香港、8位から12位になった台湾などがあげられる。

 そうした中で、日本は12項目の指標のうち、ブロードバンド料金、光ファイバー比率、ブロードバンド速度、パソコンのボット感染度、第3世代携帯比率の5項目で1位だった(次ページの図参照)。特に昨年、最大1Gbpsの光ファイバー通信回線サービスが始まったことで、ブロードバンド速度の偏差値が96.3(上位5位の各国はいずれも50前後)に高まり、全体の偏差値平均を押し上げた格好となった。

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