複数キャリアでiPhoneを販売しているフランスでは、iPhoneのシェアが40%と世界で最も高い。
米Piper Jaffrayのアナリスト、ジーン・マンスター氏は最近公表されたリポートの中で、「フランスにおけるAppleのマルチキャリアモデルは非常にうまくいっており、同社が米国を含む全世界で同様の戦略を採用することが得策だ」と述べている。
マンスター氏によると、フランスにおけるiPhoneのシェアは40%と世界で最も高い。AppleがiPhoneを販売しているほかの国々でも複数のキャリアに同端末を提供すれば、同様の成功を実現できるはずだという。
この指摘は理にかなっている。AppleのiPhoneが市場で最も魅力的なスマートフォンであることは疑問の余地がない。BlackBerry Storm、Palm Pre、MyTouch 3Gなども確かに魅力的だが、iPhoneの前では色あせる――少なくともエンドユーザーの目にはそう見える。どの製品も、6万5000本以上のアプリケーションが用意されているiPhoneの環境に及ぶべくもない。
これらの競合携帯電話のソフトウェアは、iPhone用ソフトウェアほどコンシューマーに訴求しない。iPhoneのようなマーケティングパワーも持っていない。どの点においてもiPhoneに匹敵する製品とは見られていないのだ。iPodと同様、iPhoneはその市場に革命をもたらし、この分野のほかのすべての企業がiPhoneに追いつこうと必死になっている。
このゴールに最も近いところにいるのが、カナダのResearch In Motion(RIM)のようだ。iPhoneとは違ってRIMのスマートフォンは、あらゆるキャリアから提供されている。この部分がRIMにとって最大の差別化ポイントだ。それは、AT&Tに縛りつけられるのをいやがるコンシューマーおよび企業ユーザーにRIMが訴求するための主要な手段でもある。これはRIMの「トロイの木馬」戦略だといえる。同社はこの分野でAppleのような話題性を得ていないが、1つだけ確かなことがある――Sprint、AT&T、Verizon Wireless、T-MobileにBlackBerryを提供することが同社にプラスになっているということだ。
Appleが2007年に最初にiPhoneを発表・発売したときは、AT&Tだけを通じて同製品を提供することにしたのは賢明な判断だった。AT&Tと収益を分配する契約を結んだAppleは、この市場の天才のように思われた。
だが初代iPhoneでは、コピー&ペースト、テザリング、Exchangeのサポート、ビデオ録画、ネイティブアプリケーションなど、ユーザーが求める幾つかの機能が欠落していた。これは明らかな怠慢であり、Appleのスマートフォンが批判される口実にもなった。
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.