シマンテックは、不審なファイルの安全性をオンラインデータベースに照会する機能を搭載した「ノートン 2010」シリーズを発表した。
シマンテックは9月17日、個人向け統合セキュリティ対策ソフトの最新版「ノートン インターネット セキュリティ 2010」と、同ウイルス対策ソフトの「ノートン アンチウイルス 2010」を発表した。いずれの製品も同日から販売を開始した。
新製品は、同社ユーザーなどから寄せられた情報を基に不審なファイルの安全性について評価付け(レピュテーション)を行う「Quorum」を新たに搭載した。同機能は、ユーザーがダウンロードしたファイルについて、「安全」「調査中」「危険」の3段階で評価し、ユーザーに通知する。
評価基準となるのは、約3500万ユーザーが参加するオンラインコミュニティーのデータベースで、データベースには世界中のユーザーから寄せられたファイル情報が登録されており、ファイルの内容や作成・更新日時などの情報を基に同社が統計学的な手法を用いて自動解析を行い、安全性を評価している。
米Symantecコンシューマ製品開発・マーケティング担当副社長のローワン・トロロープ氏は、「3年を費やして開発しており、サイバー攻撃の脅威からユーザーを未然に保護する新たなセキュリティ対策技術になる」と説明。9月時点で約5億種類の不正ファイルの情報が登録されているという。
同機能を使用すると、ユーザーのマシン上に警告画面が表示され、ダウンロードしたファイルをほかのユーザーもダウンロードしているかどうか、そのファイルがオンラインデータベースにいつ登録されたのかといった情報も通知される。悪意があると判断された場合は自動的にファイルが実行されるのを阻止し、安全と判断された場合はユーザーが実行できるようになる。評価が定まっていない場合は、ユーザーがこれらの情報を参考にして実行するかどうかを判断する。
このほか、新製品にはシステムのパフォーマンスが低下したなどの場合に、状況や問題点をグラフィカルな表示でユーザーに通知する「システムインサイト」機能や、PCで検出した脅威の詳細情報(危険サイトのURLや発見日時など)を知らせる「スレットインサイト」機能なども新たに搭載した。
製品パフォーマンス全体の改善も図られており、PC起動時間やスキャン時間、メモリ消費量なども前年版のノートン 2009からさらに削減したという。不正ファイル特有の挙動を検知して実行を阻止するヒューリスティック技術「Sonner」を、オンラインデータベースと連係する第2世代に進化させたほか、スパム対策では企業向け製品に使用している検出エンジンを個人向けに搭載した。
価格は、ダウンロード版のノートン インターネット セキュリティ 2010が6410円、同ノートン アンチウイルス 2010が4980円、パッケージ版はいずれもオープンだが、参考価格はダウンロード版と同等になる見込み。いずれも3台までのPCにインストールできる。このほか、パッケージ版限定で1ライセンスを2人ユーザーで分け合える「2コニコパック」もなども提供する。
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