Kindle 2が我が家にやって来た(2/2 ページ)

» 2009年11月23日 08時00分 公開
[下村恭(ハンズシステム),ITmedia]
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肝心のコンテンツ

画面下部に表示されるOxford辞書 画面下部に表示されるOxford辞書

 到着時、Kindle 2に入っているコンテンツは「Kindle User's Guide, 1st Ed.」とWelcome文書、「The New Oxford American Dictionary」のみ。User's Guideは取扱説明書、Welcome文書は顧客へのあいさつ、といったところ。

 The New Oxford American Dictionaryは、普通に本の辞書と同じように読むこともできるが、Kindle 2の検索機能を使えば実質的には「英英辞典」となる。

 また、一般のコンテンツを読んでいる時に、知りたい単語の前にカーソル(5-way controllerを動かすと、Iカーソルが表示される)を持っていくと、その単語について、Oxford辞書の内容を画面下部に表示してくれるようになっている。頭の部分しか表示されないので、続きを見たいならEnterキーを押せば、辞書コンテンツに切り替わり、続きを読める。

 さて、Kindle 2で本を読む操作は、HOME画面で本を選ぶところから始めるのだが、HOME画面に表示される(つまりKindle 2に保存する)コンテンツをKindle 2に入れるには、幾つかの方法がある。

 オーソドックスなやり方は、Whispernetと呼ばれる携帯電話網を使ったインターネット接続でAmazon.comにアクセスしコンテンツを買う方法だ。ここでは、Books(書籍)、Newspapers(新聞)、Magazines(雑誌)を買える。書籍は初めの章をサンプルとして読め、新聞・雑誌は14日間のお試し期間があるので、試読してから購入できるのがいいところ。

 書籍はおよそ30万冊から選べる。数が多いので、書籍名や著者名で検索するか、Kindle Best Sellerなどから選ぶことになる。この辺の感覚は、PCのブラウザからAmazon.comで買うのと、たいして変わらない。

 新聞は、The New York TimesUSA TODAYといった有名どころをはじめ、55誌があった。アメリカだけでなく、ブラジルや中国などの英字新聞もある。日本のものでは、The Mainichi Daily Newsがラインアップされている。雑誌は、TimeやNewsweek、PC Magazineなど33タイトルがあるようだ。

 コンテンツはAmazon.comから買うだけでなく、自分でも用意できる。これがPersonal Documentsと呼ばれているもので、text文書、Word文書、html、PDF、Rich Text、gif、jpegに対応している。ただしdocxとpdfは試験運用のようだ。

 付属のUSBケーブルでKindle2とPCを接続すると、リムーバブルディスクとして認識され、audible、documents、musicの3つのフォルダが見える。ここのdocumentsフォルダにPersonal Documentsを入れるのだが、pdfとdocxは変換が必要だ。

 Kindle 2を買うと、「***@kindle.com」といったメールアドレスが割り当てられる。ここあてにpdfファイルまたはdocxファイルを添付してメールすると、Whispernet経由で変換されたファイルがKindle 2に入る。ただしこの方法だと、1回10セント程度の利用料が掛かるので、次の方法をお勧めしたい。

 ***@free.kindle.com(***の部分は上記と同じ登録されているもの)にpffやdocxファイルを添付して送ると、変換され拡張子がazwになったファイルが返信されてくる。これをKindle 2のdocumentsフォルダに入れればOK。この方法だと利用料は掛からない。

 幾つかのファイルを、このやり方で変換してみたが、中には「A problem with your message sent to ***@free.kindle.com」として変換ができなかったものもあった。この辺りが「試験中」というゆえんだろう。

完成度は高い

 Kindle 2は、電子書籍としては完成度が高いと思う。Whispernetのおかげで、単体で書籍、雑誌、新聞を購入できるし、場所も選ばない。デジタルデバイスならではの機能として、読み上げや辞書引き機能もある。ここで紹介しきれていない便利な機能もまだある。

 ソニーが日本市場で失敗したので、イマドキ電子書籍ってどうよ? 的な見方をしていたのだが、書籍販売大手が手掛けることで30万冊のラインアップを用意でき、Whispernetによる通信機能とあいまって、使い勝手の良いものに仕上がっている。日本語に対応すれば文句はないのだが、それも時間の問題だろう(日本の書籍流通の問題は別として。というよりこっちの方が問題なのかもしれないが……)。

 将来的には「いつまでWhispernetがタダで使えるのか?」が気になるところ。Kindle 2には、「試験的」な機能としてBasic Web Browserというブラウザがある。Whispernetを使った、ごくごく基本的なもので、JavaScriptやCookieには対応しているが、FlashやJavaアプレットには対応しない。もちろん画面表示はモノクロだ。画面描画もスピードも遅い。それでも、設定不要、しかも無料でWebにアクセスできるのだ。それも、世界100カ国で。

 日本語は文字化けしてしまうが、Gmailにもアクセスできた。いつまでもタダなら最高だが、もしかしたら、Basic Web Browserでのアクセスが有料になるとか、Basic Web Browserそのものが削られてしまうかもしれないと、心配している。

 そんなこんなで、今のところは便利に使っているわたしだ。なにせ、洋書を読もうと思ったら、都内の大手書店の洋書売り場まで出向くか、Amazonで注文することになる。面白そうな本はないかなと思って探している時は、書店なら読み始めてから選べるが、Amazonの場合、“なか見検索”が無いものは、立ち読みができないので、買うハードルが高い。Kindle Storeの場合、初めの章はサンプルとしてダウンロードできる。24時間どこにいても、だ。雑誌や新聞が自動的に配信されてくるのも魅力。

 個人的には、学校の教科書も辞書もすべてKindle 2に入ってしまい、子供が学校に通う時には、ノートとKindle 2だけ持っていく、ネットで調べ物をする時もKindle 2を使う、というようになると面白いと思う。

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