海外進出時におけるICT活用において具体的にどのような展開をしていくことが重要なのか、以下の通り5つのポイントを挙げてみる。
1回目:脱ガラパゴスと世界市場への進出に向けたICT活用、2回目:グローバルプライベートクラウドに商機ありでは、海外進出時や経営の可視化におけるICTの活用について整理してきた。では、海外進出時におけるICT活用において具体的にどのような展開をしていくことが重要なのか、以下の通り5つのポイントを挙げてみる。
では、各ポイントについて以下の通り解説してみよう。
海外に拠点進出において、最近ではBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)やVISTA(ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン)といった新興国に複数の拠点を構えるケースが増えている。これらの新興国は、これまで生産拠点としての位置付けが強かったが「地産地消」といわれるように、販売拠点としての機能も持つようになってきている。そのため、日本と海外拠点を結ぶだけでなく、海外拠点の進出地域の近郊をネットワークで構築するといったニーズも高まってきている。
これまでのネットワーク環境を棚卸しし、今後さらに増加する海外拠点に対応し、かつコスト削減が可能なシンプルかつ高品質・高速な統合ネットワーク環境を再構築していくことが重要となる。
海外拠点進出に伴い、各拠点においてデータセンターを利用するケースが多く見受けられる。だが、各国でそれぞれ運用を委託しているのは非効率で、安定性にも問題がある。自社でサーバを構築している場合においても、高コストであり、非効率な部分が多い。そこで、重要となるのがグローバル規模でのデータセンターの活用だ。
例えば、米国、欧州、アジア、中国といった各地域のコアデータセンターを集約すれば、保守運用費の削減や安定運用が可能となる。また、データセンターの最適配置により、相互にデータをバックアップをすることによって、グローバルBCP(事業継続計画)が構築でき、ネットワークの遅延化の回避にもつながる。さらに、ネットワークとデータセンターを一体で運用管理できれば、効率性は高まる。
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