「新生」プログレス、買収効果を顧客に提供へ

EAIやBPMなどを主戦場にしているベンダーの1つが米Progressだ。買収企業と統合し、2009年11月から「新生」日本プログレスを率いている黒木克彦代表取締役に日本市場での展開について聞いた。

» 2010年03月17日 08時00分 公開
[ITmedia]

 EAI(エンタープライズアプリケーション統合)やBPM(ビジネスプロセス管理)などの製品分野を主戦場にしているベンダーの1つに、米Progressがある。買収企業と統合し、2009年11月から「新生」日本プログレスを率いている黒木克彦代表取締役に、日本市場での展開について聞いた。

旧日本アイオナテクノロジーの代表取締役を経て、2009年11月に日本プログレスの社長に就任した黒木氏

 米Progressは1987年に設立。買収戦略を推進し、2008年度の売り上げは約600億円、従業員は2000人規模に上る。日本法人は、傘下にあった旧ソニックソフトウェアとデータディレクトテクノロジーズを2008年12月に統合。2010年1月には、同じく買収したIONA Technologiesの日本法人、日本アイオナテクノロジーズと正式統合した。いずれも、ESB(エンタープライズサービスバス)をはじめとしたSOA(サービス指向アーキテクチャ)関連製品の提供では中核的なベンダーだ。

 アイオナ出身の黒木氏は、1月1日から始まった2010年度の方針について、通信、金融、製造、旅行など「業種別のソリューション展開」と「パートナービジネス推進」を掲げる。ビジネス改善に必要な変化への対応力を顧客に提供していくと意気込む。企業が「リアルタイムなビジネスの可視化」「ビジネス状況の把握と迅速な対応」「ビジネスプロセスの改善」というサイクルを回すため、それぞれ製品を提供するという。

 リアルタイムなビジネスの可視化を引き受けるのがBTA(Business Transaction Assurance)と呼ぶ領域で、製品としては「Actional」を提供。ビジネス状況の把握と迅速な対応はBEP(Business Event Processing)として「Apama」を据える。最後のビジネスプロセスの改善を担うのがBPM製品で、Progressが2010年1月に新たに買収した「Savvion」を提供する考えだ。

 黒木氏は、1983年に日本オリベッティに入社。その後は、日本ディジタルイクイップメントで金融営業部長、SASインスティチュートジャパンで営業副本部長、SAPジャパンのサービス産業セクター担当バイスプレジデントを経験するなど外資系IT企業を渡り歩いてきた。2002年に日本アイオナテクノロジーに入社し、営業本部長を経て2003年に代表取締役に就任した。2008年9月に米ProgressがIONA Technologiesを買収、日本アイオナテクノロジーが2008年12月に日本プログレスのグループ会社になり、2010年1月に正式統合した。黒木氏は2009年11月に日本プログレスの社長に就任している。

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