林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」の今週の電子書籍ニュース(2010.3.29〜4.3)を見て思うのは、日々、電子書籍に関するニュースが配信されているということだ。やはり電子書籍元年なのだろうか。
中でも注目なのは、知的財産推進計画2010骨子(案)と電子書籍のプラットフォームで指摘された、プラットフォームの今後だ。そして、そのけん引役の1つとなるのかもしれないiPadでは、斉藤徹氏「in the looop」のAppleが正式発表,初日のiPad販売台数は30万台超,iBookStore電子書籍販売は25万冊でも紹介されたように、米国での販売初日でiBookStore経由の電子書籍が25万冊もダウンロードされている。林雅之氏もiPadと電子書籍で注目している。iPadはiBooksだけでなく、Kindleの電子書籍コンテンツも読めるのだ。iPad販売開始によって日本ではどのような動きが起こるのか、注目したい。
とはいえ、電子書籍はまだまだ黎明(れいめい)期にある。安藤怜氏「安藤怜のロンドン灯」の2009年の北米における電子書籍の販売額は書籍全体の1.5%――英エコノミスト誌では、北米の電子書籍の販売実績を紹介している。Kindle、iPadなど、プラットフォームが整うにつれて、この数値はどのように変化していくだろうか。
それに影響を与えそうなのが、電子書籍の販売価格だ。佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」の米アマゾンが電子書籍の値上げ容認へ消費者が電子書籍版で容認できる上限価格は17.81ドルとの調査結果もでは、米アマゾンの動きを紹介している。日本のアマゾンはどうするのだろうか。
電子書籍は、出版の流通経路を変える可能性が高い。永井孝尚氏「永井孝尚のMM21」の今泉さん提唱の『Twitterと組合わせた電子書籍による「個人出版」』は、マーケティング理論から考えると、コンテンツ次第でまったく新しいマーケテイングの世界が拓ける、という話にあるような出版スタイルも可能である。さらに永井孝尚氏の日本経済新聞の書評記事「電子書籍が変える読書」ではないが、読書スタイル自体が変化する可能性もある。紙の造形に愛着のある人がいる限り、紙の書籍が絶滅することはないと思うのではあるが。
書籍の電子化の流れの中で、新聞の電子化も進んでいる。安藤怜氏「安藤怜のロンドン灯」のFTはパーフェクトなデジタル化のモデルなのか?――英ガーディアン紙では英国の話が紹介されているが、われわれにとっては、日本経済新聞の電子版についてが旬の話題だろう。
ブロガー | ブログ | 日本経済新聞電子版 |
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岩永慎一氏 | 「THE SHOW MUST GO ON」 | 引用、参照、そしてWebメディアとしての立ち位置 |
大木豊成氏 | 「走れ!プロジェクトマネージャー!」 | 今日限りで日経新聞Web刊を解約しました |
小林啓倫氏 | 「シロクマ日報」 | 「タバコ部屋としてのニュースサイト」と日経電子版 |
渡辺俊雄氏 | 「jargonaut」 | 日本経済新聞社へのお願い |
大木氏の今日限りで日経新聞Web刊を解約しましたで書かれた日本経済のポリシーについては、ネット上で大量の意見が交わされた。果たして日本経済新聞は本当に電子配信に力を入れたいのか、否か。わざと失敗させようとしているのではないかという気さえしてくるのだが、考えすぎだろうか。
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