愛媛県庁でサイボウズの大規模グループウェア「サイボウズ ガルーン 2」が本格稼働を開始した。部局ごとのグループウェアを統合して運用効率化を図るとともに、紙と電子メールの量を大幅に削減したという。
サイボウズは7月8日、同社の大規模向けグループウェア「サイボウズ ガルーン 2(以下ガルーン 2)」が、愛媛県庁で本格稼働したと発表した。ユーザー数は約5000人。
同庁は、2000年に策定した「愛媛県高度情報化計画」に基づき、職員間の情報共有を支える庁内システム基盤の検討を進めていた。しかし、同庁が求める機能を満たす製品が当時は見当たらなかったため、最大300人規模での活用を推奨する「サイボウズ Office 4」を部局ごとに24システム導入した。
ただし、幾つかの問題があった。部局ごとの導入であったため、部門横断的な連絡や調整ができず、部局外メンバーを含めたスケジュール調整や連絡は、メーリングリストや内線電話を利用するケースが多かった。また、グループウェア、メール、全庁掲示板それぞれで独立したシステムを採用していたため、管理するサーバが30台以上に膨れ上がり、運用負荷が増していた。
そこで既存システムのリース期限に合わせてシステムを見直すこととし、2006年にはガルーン 2の導入を決定した。導入後は、庁内連絡をガルーン 2の回覧版機能に置き換えることで、紙と電子メールの大幅削減に成功し、全庁的に業務効率も上がったという。同庁が主に活用しているアプリケーションは以下の通り。
回覧板(社内メール)
決済する前段階の資料をあらかじめ部局内や関係各部署と共有し、調整、議論をする場として利用。確認文書をテーマごとに1つの回覧板で関係者全員と共有でき、かつ確認状況もひと目で分かるため、情報共有や事前調整の時間短縮に貢献している。回覧板の利用により、庁内での電子メールのやり取りがなくなり、外部との連絡にのみ電子メールを使用するようになった。
掲示板
通達を掲示する場として活用している。
ファイル管理
個人で作成した資料を保存するほか、回覧板と併せて更新した資料をフォルダにアップロードするなど、履歴を残す形で運用している。
スケジュール
通常のスケジューリングや会議室予約、上司の予定を事前に確保する目的などで利用している。
愛媛県庁では、今後もこのようなツールを利用した業務改善への取り組みを積極的に行うとともに、県内の大学や市など各方面との連携を行い、地域行政を支えるシステム運営を目指すという。
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