「VeriSign Trust Seal」は、SSL暗号化通信を伴わないWebサイトの実在性とマルウェア感染の危険がないことを証明する。
日本ベリサインは7月27日、Webサイトの実在性やマルウェア感染のリスクがないことを同社が証明するセキュリティシール「VeriSign Trust Seal」の提供を開始した。SSL暗号化通信を行わないWebサイトの安全性を証明する新たな手段になるとしている。
VeriSign Trust Sealは、同社がWebサイトを運営する企業や組織、個人が実在のものであるかを確認し、併せて1日に1回程度Webサイトのマルウェアスキャンを実施して、マルウェア感染の心配がない場合に発行される。万が一マルウェアが見つかった場合は、Webサイトに表示されなくなり、同社がWebサイト運営者に通知して対応を促す。
同社では、SSLサーバ証明書を取得してサイト訪問者との間で重要データの暗号化通信を行っているWebサイト運営者に「ベリサインセキュアドシール」を発行している。VeriSign Trust Sealは、SSL暗号化通信を行わないWebサイトやWebページが対象で、主にSSL暗号化通信を外部システムで利用している中小規模のEC事業者や一般企業での利用を見込んでいる。
また同社は、WebサイトがVeriSign Trust Sealを取得していることを検索サービスに表示する取り組みも進めている。現時点ではセキュリティ企業AVG Technologiesが提供する「AVG Link Scanner」を組み込んだInternet ExplorerやFirefoxを利用してGoogleもしくはBingで検索した場合に、検索結果にVeriSign Trust Sealが表示される。これにより、コンピュータ利用者が訪問する前に検索結果からWebサイトが安全かどうかを確認できるとしている。
古市克典社長兼CEOは、「EC市場の広がりでホスティングを利用してサービスを展開する事業者が増えている。だがコストなどの制約からベリサインセキュアドシールの取得が難しい場合がある。事業者の安全性を当社が証明することで、ビジネスを支援したい」と話す。
SSL製品本部の平岩義正上席部長によれば、ベリサインセキュアドシールを取得しているWebサイトでは、Webサイト訪問者数が数%から10%向上する結果が確認されているという。VeriSign Trust Sealシールは米国で先行して提供しているが、既に訪問者数が10%程度増えたWebサイトがあるなど、コンピュータ利用者の信頼を獲得しつつあるという。
なお、同社ではVeriSign Trust Sealが正しく利用されているかを常時監視し、対象としないWebページにシールが表示されるなど契約違反が確認されれば、Webサイト運営者に警告するとしている。
VeriSign Trust Sealの価格は年間4万1580円。ベリサインセキュアドシールを取得しているWebサイト運営者向けには10月下旬以降に、ベリサインセキュアドシールにVeriSign Trust Sealがバンドルされる予定。まずは複数のサーバ証明書を利用する「マネージドPKI For SSL」および同社サイトでEV SSL証明書を新規購入した顧客に提供し、それ以外の顧客には2011年以降に提供する。
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