ITmediaとITRは、クラウドコンピューティングに関する読者調査を実施した。1年前に比べてパブリッククラウドの利用が広がり、プライベートクラウドの利用意向が半数近くに上るなど、全体的にクラウドコンピューティングの利用に前向きな企業が増えている実態が明らかになった。
ITmedia エンタープライズと調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)は、「クラウドコンピューティング」に関する読者調査を実施した。2009年に実施した同様の調査では、主にパブリッククラウドをテーマとして行い、本調査ではプライベートクラウドを加味して、その認知度や利用状況について尋ねた。前回調査と比較可能なパブリッククラウドに関しては、前回よりも利用する企業が増えている実態が明らかとなり、プライベートクラウドに関しても利用意向が強い様子にあることが分かった。
調査概要
パブリッククラウドという単語の認知度を図1に示した。図には同じ質問に対する前回の結果を併せて掲載した。パブリッククラウドの意味を「よく知っている」は41.0%、「知っている」は45.8%であった。この2つの合計は86.8%と、パブリッククラウドに対する認知度が高いことが分かる。これらの認知度は前回調査よりも、やや低くなっている。職種ごとの認知度を見ると、特に「経営者・役員」「部長」「係長・主任」でその割合が高いことが明らかになった。
次にプライベートクラウドという単語の意味を認知度を図2で示した。前回調査はプライベートクラウドに対する質問を行っていないため、今回調査の結果のみとなる。プライベートクラウドの意味を「よく知っている」は39.2%、「知っている」は43.4%であり、2つを合計すると82.6%とパブリッククラウドと同様に認知度が高い様子が分かった。
職種ごとの認知度では、パブリッククラウドと同様に「経営者・役員」「部長」「係長・主任」の認知度が高い。クラウドコンピューティングはITにおいてインフラ領域の用語に当たるが、経営者層の認知度が高いことが大きな特徴となっている。
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