いまだからこそ元気を出そう! ビジネスを縮小しないことが復興支援オルタナブログ通信(1/3 ページ)

ビジネス・ブログメディア「ITmedia オルタナティブ・ブログ」では、ITにまつわる時事情報などが、約250人のブロガーによって、日々発信されている。その中から今回は、「震災とビジネス」「iPad2」「Facebook」などを紹介しよう。

» 2011年03月25日 17時56分 公開
[森川拓男,ITmedia]

この時期にビジネスを自粛するべきか否か

 この時期、つまり危機的な状況であるからこそ、全力で立ち向かわなければならないと考えています。(中略)復旧後のことを考えれば、それぞれの専門分野で全力を出して、一日も早く、国力を高められるように最善を尽くしたいと考えています。つまり、この時期にビジネスを自粛するか否か?という問いについては、ビジネスが専門分野の人は全力で取り組むべきだと個人的に思います。

 この時期にビジネスを自粛するべきか否か:ベンチャービジネス千里眼


 東北地方太平洋沖地震から2週間が経過した。テレビ番組については、震災直後の報道一色だったころに比べると平時に戻りつつあるが、CMに関しては、その多くがACジャパン(旧公共広告機構)によるものだ。ACジャパンのCMは、番組がスポンサーを確保できなかったり、企業が自粛をしたりした場合などの穴埋めとして放送される。従って、通常なら意識しないぐらいしか放送されないのだが、今回の東北地方太平洋沖地震に際して多くのスポンサーがCM出稿を自粛したため、ACジャパンのCMが繰り返し放送される事態となった。これに対して苦情が殺到し、ACジャパンからおわびが発表される異常事態にまで発展。現在では、サウンドロゴなしのバージョンや、被災者を応援するためのCMも放送されている。

 ここで考えたいのは、個々のCMのことではない。このような時期におけるビジネスの是非についてだ。

 吉政忠志氏「ベンチャービジネス千里眼」のこの時期にビジネスを自粛するべきか否かでは、この問題を真正面から考察している。吉政氏はあくまでも「自分の意見」と断った上で、「この時期、つまり危機的な状況であるからこそ、全力で立ち向かわなければならないと考えています」という。「災害に対してという意味だけではなく、自分の仕事や、場合によっては子育てかもしれません。人それぞれが持っている専門分野において全力を出すという意味です。災害対策のスペシャリストではない自分が被災地に行ってもかえって迷惑になる場合があるという考え方」に立っている。要するに、「復旧後のことを考えれば、それぞれの専門分野で全力を出して、一日も早く、国力を高められるように最善を尽くしたい」というのだ。そして、「地震、原発事故、大不況をまともに食らっては本当に日本沈没してしまいそう」だと危惧している。この国難とも言える事態に立ち向かい、復興していくためにも、ビジネスが専門分野の人は、節約するところは節約しながらも、ビジネスに全力で取り組むことが必要であるという結論だ。

 大里真理子氏「マリコ駆ける!」の節電:東京電力の売上を下げても、自社・他社の売上は支えたい!でも、同様のことが語られている。節電は実行する。しかしビジネスは縮小させない。大里氏の節電ポリシーは、「東電の売上低下に協力はするが、自社・他社の売上増大には貢献する」なのだ。

 現在、テレビCMのみならず、さまざまなイベントやプロジェクトが自粛されている。「節電という名の下、活動をさらに自粛すると、どんどん経済活動が小さくなっていく」。この状況に対して大里氏は、「被災地ではない場所で、経済活動を自粛するのが本当によいことなのか、疑問に思っている」という。長期戦となる震災復興に対して、「経済活動の基盤をしっかりさせないと、足元をすくわれる。寄付で貢献しようと思うからには、経済活動も活性化させねば!」と決意を固めている。そこでターゲットとなった節電対象は、「明かり」。必要最小限の照明に抑え、使っていない部分はこまめに消す。「なんだかオフィスが薄暗くなりましたねと言われたが、スタッフが暗くないのが自慢の明かりだ!」。

 そして何よりも大切なことは、「被害にあっていない私たちがすべきことは、できるだけ元の生活に戻るよう努力すること」だと、心配事はつきないけど、被災者でない私たちが危機管理だけで目いっぱいになってはNG!で、大里氏は述べている。小俣光之氏「プログラマー社長のブログ」も元気を出さなければ!で同様に語った。

 しかし、通常通りにビジネスしようとしても、計画停電や、それに伴う電車などのダイヤの乱れが……という人も多いだろう。そこで考えたいのは、「出社時間にこだわる必要」だ。3本のエントリーを紹介しよう。

ブロガー ブログ 早朝? 遅め? 出社時間を柔軟に
大木豊成氏 走れ!プロジェクトマネージャー! いま改めて、早朝出勤(就業)の可能性
坂本英樹氏 坂本英樹の繋いで稼ぐBtoBマーケティング 今だからこそ、遅めの、出勤・就業の価値を評価しては?
佐々木康彦氏 平凡でもフルーツでもなく、、、 この時期9時出社にこだわる必要がどの程度あるのか?

オルタナティブ・ブログが震災一色に

 今回の「オルタナブログ通信」は、3月3日〜3月16日にかけて「オルタナティブ・ブログ」へ投稿されたエントリーの中から、冒頭で取り上げた「震災とビジネス」のほか、「iPad2」「Facebook」といったテーマを紹介する。読者がオルタナティブ・ブログを読む際の参考にしていただければ幸いだ。

 それでは、3月10〜16日を3月2週とした、過去8週分のオルタナティブ・ブログへの投稿状況グラフを見てほしい。

3月10〜16日を最新としたオルタナティブ・ブログのステータス

 投稿総数曲線が上昇した。とはいえ、投稿されたブログ数は減少している。毎週投稿があるブロガーの中に地震以降の投稿が見られない人がおり、気になるところだ。なお、地震発生前の3月8日には、野村祐司氏「IT業界の「みょ〜にリアルなお話」」が、新たなオルタナブロガーとして加わった。今後の投稿に注目したい。

 それでは、全エントリーのキーワードランキングを見てみよう。

順位 キーワード(カテゴリー) エントリー数 先週順位
1 社会 160 ↑(2)
2 Twitter 34 ↑(4)
3 ビジネス 32 ↓(1)
4 ストリーミング・動画 18 ↑(5)
5 雑感 15 ↑(6)
6 Facebook 13 ↑(8)
モバイル 13 ↑(9)
8 ソーシャルメディア 11 ↑(9)
9 テクノロジー 10 ↑(14)
10 Google 8 ↑(44)
政治・行政 8 ↑(圏外)
ネットワーキング 8 ↓(6)

 3月2週、すなわち3月10〜16日のキーワードランキングは、通常と異なる結果となった。3月11日午後の地震発生以降は、一部のエントリーを除いて、オルタナティブ・ブログ全体が震災関連一色に染まったのだ。投稿自体を自粛しているブロガーもいるようだ。これらのエントリーの中ですぐに伝えたいものに関しては前回特集したので、あらためて見ていただきたい。

 なお、ランキングの上下に関しては、キーワードランキング発表をお休みした先週発表予定だった3月3〜9日のランキングからのものとなっていることを注意されたい。参考までに、その週のベスト3を紹介すると、「ビジネス」「社会」「イベント」だった。ちなみに、今回の「イベント」は同率18位に落ち込んだ。震災によって各種イベント自粛などがあったことも影響しているのかもしれない。

 10位以下には、同率13位に「Android」「アプリケーション」「電子書籍」(7)、同率16位に「スマートフォン」「地域」(6)と並んでいる。

 それでは3月3〜16日にオルタナブロガーが取り上げた話題を、いくつか振り返ってみよう。

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