日常業務の改善につなげる「ライフログ」ツールの使い方企業流モバイル「ログ」活用術(1/3 ページ)

企業では社員のさまざまな行動内容が「ログ」として蓄積、管理されますが、ログの新たな活用が企業のモバイル化によって注目されています。今回はログを社員の行動改善につなげる方法を紹介しましょう。

» 2011年10月27日 08時00分 公開
[佐々木隆仁,AOSテクノロジーズ]

 会社は社員の仕事の内容を「記録」として管理しています。さまざまな業務の記録は、日報などの形にして、仕事の成果としています。ITの分野ではPCの操作記録を「ログ」として記録し、管理します。今回はこのログの新たな活用方法を取り上げたいと思います。

 最近はスマートフォンなどのモバイル機器の登場で、ログ管理の方法が変わりつつあります。スマートフォンを活用して、自分の日常生活の体験を映像、音声、位置情報などのデジタルデータとして記録をする「ライフログ」を残す人が増えています。ライフログのためのツールには、ユーザーが自分で操作して記録を取る手動ツールと、自動的に記録を取ってくれる自動ツールがあります。手動ツールの代表には、ブログやTwitter、Facebookなどがあります。

 手動ツールによる記録では、自分の主観的な意見を含めることができますが、記録を取り続けるには、ユーザーに負担がかかり、最近は“つぶやき疲れ”などの現象が増殖しているとも指摘されています。また、心ないユーザーによる悪意の書き込みや炎上などの問題も多発しており、業務で使う場合は細心の注意が必要です。例えば、あるホテルでアルバイトの社員が有名スポーツ選手とタレントがレストランに来店したことをTwitterでツイートしてスポーツ紙などで取り上げられ、アルバイトのTwitterが“大炎上”したという事件がありました。

 一方の自動ツールでは、ユーザーの手で記録するという手間がかからずに、位置情報や電話の通話履歴、Webの閲覧履歴、デジカメで撮った写真データなどが自動的に記録されます。これらのデータを積極的に活用することで、自分の生活スタイルの改善、仕事効率の向上などを実現する事例が増えています。

 例えば、外回りの営業をしているビジネスマンが自分の位置情報を記録することで、一日の間にどのように自分が行動したのかを振り返り、営業効率の改善に活用できるでしょう。ライフログのデータは周りの人も見ることができるので、セルフチェックだけではなく、上司や知人からのチェックも入ります。常に“見られている自分”を意識することで、自身の行動を磨いていくことができます。

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