タブレットの台頭とWindows 8の伸び悩みにより、1〜3月の世界PC出荷台数は前年同期比13.9%減と過去最大の落ち込みになった。
米調査会社IDCが4月10日(現地時間)に発表した第1四半期(1〜3月)の世界PC市場に関する調査結果によると、出荷台数は前年同期比で13.9%減の7630万台で、同社が1994年にこの調査を始めて以来最大の減少率になったという。
低価格市場での小型ノートPC出荷の減退と、消費者のタブレットおよびスマートフォンへの移行が原因とIDCは分析する。PC業界はタッチ機能や筐体のスリム化などの努力をしているが、価格や部品供給の問題が障害になっており、また、Windows 8の評判が弱いことも原因としている。
IDCのボブ・オドネル副社長は、「Windows 8は残念ながらPC市場にポジティブな影響を与えることに失敗しただけでなく、市場の成長を遅らせているようだ」とし、Windows 8の新しいフォームファクターやタッチ機能を評価する消費者もいるが、大幅なユーザーインタフェースの変更やタッチ機能搭載PCの価格の高さがPCの魅力を減らしたと指摘する。
メーカー別シェアでは、順位は前期と変わらず、1位は米Hewlett-Packard(HP)、2位は中国Lenovoで、米Dell、台湾Acer Group、台湾ASUSTeK Computerと続く。HPの出荷台数は前年比23.7%減の1199万7000台。上位5社は横ばいのLenovoを除き、すべて2桁台の減少だった。HPとLenovoの差はわずか0.4ポイントに縮まった。
順位 | メーカー | 1Q13出荷台数 | 1Q13市場シェア(%) | 1Q12出荷台数 | 1Q12市場シェア(%) | 出荷台数伸び率(%) |
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1 | HP | 11,997 | 15.7 | 15,726 | 17.7 | -23.7 |
2 | Lenovo | 11,700 | 15.3 | 11,705 | 13.2 | 0.0 |
3 | Dell | 9,010 | 11.8 | 10,110 | 11.4 | -10.9 |
4 | Acer Group | 6,150 | 8.1 | 8,952 | 10.1 | -31.3 |
5 | ASUS | 4,363 | 5.7 | 5,401 | 6.1 | -19.2 |
その他 | 33,075 | 43.4 | 36,739 | 41.5 | -10.0 | |
合計 | 76,294 | 100.0 | 88,635 | 100.0 | -13.9 | |
(PCにはデスクトップ、ノートPC、Ultrabookを含むが、タブレット、x86サーバは含まない。資料:IDC) |
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